帰り道


それから。

部活終了時刻まで円堂達とサッカーを一緒にやった。

久しぶりのサッカーは本当に楽しかった。

下校は豪炎寺、円堂、鬼道、それから木野秋ちゃんと一緒。

前を男3人が歩いているから、その後ろを秋ちゃんと歩く。

「真衣ちゃん、サッカーはどうだった?」
「楽しかったよ!久しぶりに体を動かせて良かった」
「そっか!」
「…円堂、良い奴だよね」
「っ!!」

ピクッと秋ちゃんが反応する。可愛いな…。

今日、気付いた事。
それは秋ちゃんが円堂と仲がいいという事。

「好きなの?」

誰が、と言わずとも伝わるだろう。

「…分からない、かな。でも、多分好きなんだと思う」

真っ赤に顔を染める秋ちゃんは本当に可愛い。チクショウ、円堂には勿体無い。

「真衣ちゃんは?」
「え?」
「真衣ちゃんは好きな人、いる?」
「まさか!まだ転校して1週間だよ?」
「そっかあ」
「そうそう!」

まだ1週間で好きな人がいたら一目惚れとかだろうけど、ない。

「おーい、秋ー河野!早く来いよー!」
「ごめん、今行く!秋ちゃん行こう!」
「うん!」

話してた為か円堂達と距離が開いてしまっていた。

私と秋ちゃんは走って追いつく。

私は円堂と豪炎寺の間に、秋ちゃんは円堂と鬼道の間に入る…というか、そのスペースが開けられていた。

「秋、何の話してたんだよー」
「秘密!ね、真衣ちゃん!」
「うん、秘密!」
「何だよー」
「お子様な円堂には教えませーん」

秋ちゃんと意地悪な笑みを浮かべてから直ぐに柔らかい笑みに変える。

「あ、じゃ私こっちだから!」
「俺と秋はこっち!」
「なら、豪炎寺と鬼道は私と一緒の方向?」
「ああ」
「そっちだ」
「オッケ!じゃ、秋ちゃんと円堂バイバイ!」

手を振ってバイバイ。時刻は夕日すら見えなくなる時間。



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