「次郎ーまだ寝てるんですかーいい加減起きてくださーい」

起きないとチューしちゃいますよー、という女の子らしい綺麗な声に俺は飛び起きた。まだ覚醒しきってない頭を振り目を開くと目の前にみょうじとにやにや笑う源田がいた。

「な、起きただろ?」
「流石って感じですねー」

これから次郎を起こす時はそうしますー、と相変わらず語尾をのばしながら喋るみょうじと源田を見て俺は状況を理解した。さっきのみょうじの言葉は源田の入れ知恵だったらしい。後で源田しめる。

「みょうじ、」
「なんですか次郎ー」
「なんでここにいるんだ…?」
「げんだるまが連れてきてくれましたー」
「そろそろ佐久間が起きなきゃいけない時間だと思ってな」

そう言われて部室にある時計を見ると下校時刻を大幅に過ぎていた。…そもそもなんで俺部室で寝てたんだっけ。部活終えて着替えて…着替えたっけ?あ、でも格好を見ると制服だから着替えたんだな。うん、そこから記憶がない。

「あ、みょうじが着替えてる最中で寝たお前を着替えさせたんだぞ」
「ふーん、って…は!?」

源田が俺の思考を詠んでか言った言葉を聞いて俺は思わず叫んでしまった。

「だって次郎、汗もふかないまま寝ちゃったから仕方なくですー」

ふにゃっと笑うみょうじに俺は頭痛を覚えた。俺、一応みょうじの彼氏でまだキキキキ、キスを1回したくらいなのに俺を普通に着替えさせられるみょうじ。なんか…悲しくなってくるんだけど俺ちゃんとみょうじの彼氏だよな。

などと俺が思考を巡らせるうちにみょうじと源田が荷物を持って入口に立っていた。

「次郎ー帰りますよー」

…ああ、俺って単純。


end

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某宅の某様の某ちゃん(←)をお借りしてきています。ありがとうございました。

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