「お菓子をくれないと、」
「イタズラするぞ、だろ」
「あー、もう!何で先に言っちゃうかな、豪炎寺のばーか」

今日は俗に言う、ハロウィンの日。
ここは日本で、ちゃんとした仮想で子供達全員が1件1件に訪問をする、なんて習慣はないが、目の前にいる魔女、みょうじなまえはアメリカ帰りだからか、そういう事が好きらしい。

「トリックオアトリート!」

と、カタカナ表示で日本語なクセにやたらと発音が本場のなのは流石、と思う。

「生憎と菓子は持ってない」
「えー、嘘だー!持ってるでしょ!知ってるんだからね、鞄の中の小さな黒巾着の中に飴が入ってるの!」

なんでお前が知ってるんだ、と言いそうになるが昨日の出来事を思い出す。

昨日はみょうじがあまりにも駄々をこねるので仕方なく飴を口に放りこんでやった。(そしたら見事に機嫌が良くなった)

それ以前にも、何かとみょうじに困らせられるので飴は常備して置いたのだ。

「お前のせいでみょうじ専用えさ袋になってるんだけど」
「えさって何!?私、動物!?」
「…知らないのか、人間も動物だって事を」
「知ってるけど!何か私は犬みたいな扱いじゃんか!」
「安心しろ、犬の方がよっぽども大人しい」

そう言うとみょうじはプゥと頬を膨らませる。不覚にも可愛い、と思ってしまって。

そして俺は思いついたんだ。

「私は、犬以下ですか!」
「そんな事言ってないだろ、…みょうじ」
「…何よ」
「悪いが今日は菓子を持ってないのは事実なんだ」
「なんで」
「円堂達に今朝やられたからな」

残念だったな、と言うと今度はニヤリと笑うみょうじ。

「なら、イタズラだよね」
「なっ…ちょっと待て」
「待ちませーん」

だから、

貴方からキスするまでくっついててやる

とみょうじが呟いた。

なんだ、構って欲しかっただけか。ならば、

キスの後も離れるな

と囁いた。


End..


* * * *
ギャグを目指したのに甘くなっちゃった!ハロウィンだからギャグにしたかったのに!豪炎寺相手だからか!?佐久間と一之瀬ならギャグにしやすいのに!


2009.10.31

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