「有人〜、なまえちゃん特製プリンだよー」
「ああ、なまえのプリンは美味しいからな」

あーん、と鬼道さんの膝に座って鬼道さんにプリンを食べさせているなまえ。

……ちょっと待て。

なァ、なまえ!

お前は俺の彼女だろ!?






なまえと鬼道さんがああやってるのは今日の部活からだ。

最初、なまえが扉を勢いよく開けて部室へと入ってきたから俺に用事かと思ったんだ。だって俺、彼氏…の筈だから。辺見は成神だってそう思った筈。

だけど、実際は。

「有人〜」

なんて言い出して。普段は鬼道、と鬼道さんの事を呼んでいたのに。

鬼道さんも鬼道さんで、

「ああ、なまえ」

なんて名前呼ぶし。勿論、普段はみょうじって苗字で呼んでいる。

それから。

なまえと鬼道さんの行動はエスカレーター…じゃなかった、エスカレートして行って、今の状況に至る訳だ。

「プリン、美味しい?」
「ああ、なまえの作る物は特別だからな」
「有人、大好きっ!」

そう言ってなまえは鬼道さんの首に腕を回す。

プツン、

俺の中で何かが切れた。

「なまえ!離れろ!お前の彼氏は俺だ!鬼道さんの事は今まで通り苗字で呼べ!いいな?鬼道さんもお願いですからなまえから離れて下さい。じゃないと今の俺は皇帝ペンギン1号を何回でも打ててしまうかもしれないです!」

だから、離れて!と叫ぶと辺見、成神、源田は俺を止めに入ってきた。

一方、なまえと鬼道さんはというと。

…爆笑している。

「なまえ…?」
「ぶっ…くくっ…ごめ、じろ…」
「鬼道、さ…」
「悪い佐久間、冗談だ」
「じょ…う、だん?」
じょう、だん…冗談?

「ええぇぇぇえ!?」
「ごめ、ん…ね…次、郎」
謝りながらも笑い続けるなまえ。

「どういう事ですか、鬼道さん」

なまえがまともに話せないので鬼道さんに聞く。

「いや、みょうじと昨日、佐久間を困らせてみようか、という話になってな」

あ、みょうじって苗字呼びに戻ってる…じゃなくて!

「俺…心臓止まるかと思った…」
「ごめんね、次郎。私がホントに好きなのは次郎だからね」
「なまえ…」

ああ、本当に。

冗談で良かった。


End..

* * * *
鬼道さんと夢主のこんな関係が好き。ちなみに鬼道さんの代わりにはマックスか豪炎寺もいい。

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