AM5:00、私の1日が始まる。
暖かくなって来たとはいえ、まだまだ早朝は冷たい空気が体にまとわりつくがそんなのは真冬でも気にしないので1回頬を叩いて終わりにする。

着なれたジャージを取り出して着替えて、携帯をファスナー式の上着のポケットに入れる。仕上げに腕に付けているゴムで髪を1つに結わいて完成。

静かな廊下に音を立てぬようにゆっくり、けれど素早く玄関まで到達する。履き慣れた靴を履いて小声で行って来ますと呟いて私は外へ出た。

外へ出て少し走ると見慣れた人物がいて。

「おはよう、豪炎寺」
「おはよう」

私と豪炎寺の日課。お互いの早朝ランニングの途中に会う。それから、一緒に走る。

まあ、現役サッカー部の男子に私が着いていけるのかと思う人もいるかもしれないがそこは心配ない。

豪炎寺は私と会う前に既に数キロ走り終えた後だし、私は私で女子の中では校内1だし普通の男子には負けないくらい走れるから。

「今日、数学宿題だっけ」
「ああ」

走りながらも会話が出来るくらいのペースで走る。最も普通の女の子には無理かもしれない速さだけれど。
「…ああ、鬼道がノートを返せって言ってたぞ」
「あ、忘れてたわ」

冷たい風が火照った体を包み気持ちが良い。太陽も家を出た時よりも大分上り始めた。

家を出てから丁度1時間、私と豪炎寺は公園のベンチに腰をおろす。

それからいつも通り30分くらい話しながら休憩して、私たちは自宅へと戻る。

「じゃ、学校でね」
「ああ、遅刻するなよ」
「しません!」

AM6:45帰宅。母たちを起こして支度をして学校へと向かう。

「おはよう!」
「おはよう、円堂。おはよ、豪炎寺」
「おはよう」

本日2度目の挨拶だって事は私と豪炎寺かしか知らない。あの1時間半の私と豪炎寺の日常は2人だけの秘密の時間。

end



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