※アニメネタバレ

「修也、おめでとう」
「ああ、ありがとう」

FFIカタール戦を勝利という形で終えた日の夜、私は携帯を片手にベットに寝転んだ。

「試合終わったあとバタバタしてたからまだ言えてなかったからさ」
「…そうだな」

試合には私も行ったものの試合が終わったあとは修也も私も慌ただしくてろくに話せなかった。

「虎丸くん、良かったね」
「ああ」
「修也、小学生に負けちゃうかもよ?」
「…負けないさ」
「うっわ、凄い自信だね。やっぱり、先輩の余裕かな?」
「そうじゃない」

虎丸に抜かれないくらい練習するさ、と言う豪炎寺に私はくすりと笑う。

「なまえ…?」
「あ、ごめんね。ただ、修也もかなりのサッカーバカだよね、と思って」
「円堂が一緒だからな」
「うん、それもあるけどさ」
「あるけど、なんだ?」
「修也がサッカー好きなんでしょ」
「…そうだな」

修也は小さい頃から、それこそ円堂くんにだって負けないくらいサッカーが好きだった。夕香ちゃんが事故にあってから円堂くんに出会うまでサッカーを辞めていたとはいえ、サッカーが好きなのだ。

それに、虎丸くんに負けられないのは先輩の余裕なんかでなく、先輩の意地なのだろう。まあ今回は、試合にフル出場した修也と途中からの虎丸くんでは条件が違うから勝ち負けはないけれど。

「修也はサッカー好きでしょう?」
「ああ」
「私ね、」

サッカーしてる修也が大好きなんだよ、じゃあおやすみ!

そう言って私は通話の切るボタンを押した。

明日、修也の顔を見てちゃんと好きと伝えれば修也はきっと答えてくれる。

* * * *
アニメを見て衝動書き。

2010.03.17



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