日曜日の午後6時。決まって私は幼なじみの有人の部屋で有人の首にかぶり付く。紅い、印を残す為に。…あくまでも私と有人は幼なじみで一線を越えた関係ではないけれども。

「―…っ…ふ…出来、た」
「ああ、毎回悪いななまえ」
「…ホントにね」

有人の首筋から離れる時に一本の糸が私の口と有人の首を繋いだ。それを見ても私は羞恥心なんかもう感じなくなる程回数をこなしている。

「こんなんで効果あるわけ?」
「無いよりはまし、という程度だな」

私がこうして、わざわざ有人の首に印を付けなければならないのかは簡単な事。鬼道財閥の一人息子で雷門イレブンの天才ゲームメーカーで、学力は全国でも指で数えられる程の順位に入る…という完璧人間の有人がモテるから。その為の女避けで印を付ける。

「私が付けてる事、皆知ってるの?」
「豪炎寺と風丸くらいだな」

そもそも俺とお前が幼なじみであり、繋がりがある事を知っているのが少ないからな。と言われて私はそっか、と返す。

「ま、なんでもいいけど私を面倒事に巻き込むのはやめてね」
「分かっている」
「ならいい」

有人は鏡で私が付けた印を眺めて、それが見えないようにマントを付け直した。今は家のいる為、お手伝いさんや有人のお父さまに見られる訳にいかないから。

「…なまえ」
「なに?」
「すまない」

それは、どんな意味の“すまない”なのか。

印を付ける事に対して?
この曖昧な関係に対して?
幼なじみ、の関係から発展しない事に対して?
私の気持ちに対して?

…何に、対して?

「…なにが?有人が謝るのは何に、対して?」
「…いや、なんでも無い」
「そっか」

目を逸らした有人を見ながら私は有人のベットへダイブ。

目を閉じれば、有人とのこれからが不安に感じる。

この関係はいつまで続くのか。

神様、いるのなら教えて下さい。

この曖昧な関係はいつまで許されますか。

いつまで、有人の隣にいる事は許されますか。

いつまで、この想いを持つ事は許されますか。

ねぇ、神様…。

この想いが許されるのなら、曖昧な関係でも有人の隣にいる事を許して下さい。

end..

* * * *
よく分からない。とにかくきどぅーさんが書きたかった。

2010.01.09

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