「なまえ、ここに置いとくぞ」
「…ん、」

コトン、と音を立ててテーブルに置かれたのはしゅわしゅわと泡を見せつけているサイダー。

「読み終わりそうか?」
「あと、ちょっと…」
「なら待ってる」
「うん」

座って本を読んでる私の背中に一朗太は自分の背中を預けて雑誌を広げた。私は一朗太が座りにくくないように気をつけながら本を読み続ける。こんなのは、日常茶飯事。

それからちょっとして、本を読み終えた私は頭をこてんと一朗太の背中に置く。

「終わったか?」
「うん」
「あーあ、サイダーが無駄になったな」

テーブルを見れば水滴が水溜まりのようにコップからテーブルに蔦っていて。きっとサイダーの炭酸は抜けている。一口サイダーを口に含めば予想通りの甘い味が広がる。

「あま…」
「当たり前だろ」

馬鹿だな、と笑う一朗太とそうだね、と笑う私がいるのも当たり前。きっと、これからも。

end..

* * * *
微妙

2010.01.05

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