「おかしい!おかしいわ!」
「…なにがだ」

俺の目の前で突如叫びだしたのは風丸の幼なじみ兼恋人兼サッカー部マネージャーのみょうじなまえ。いくら俺が天才ゲームメーカーと言われているとは言えども、みょうじの考えている事を当てるのは不可能だ。何故ならこいつは突拍子もない事を考え、言い出すからみょうじの考えが分かるのは風丸だけだ。

「だからおかしいのよ!」
「だから、なにがだ」
「エロ本が無いのよ!」
「……は、」

握りこぶしを作って俺に力説してくるみょうじの言い分はこうだった。
風丸だって健全な男なのだからエロ本を持っているだろうと踏んだみょうじは幼なじみと彼女という特権を使い風丸の母親に頼んで風丸の部屋を一生懸命エロ本がないか探したらしい。

「なんで!?」
「知るか」
「鬼道だって持ってるでしょ!?」
「ノーコメントだ」
「一朗太は持ってないの!?」
「本人に直接聞け」
「俺が何だって?」

ああ、タイミングよく風丸が部室へ入ってきた。ならば俺はさっさと退散するとしよう。

「みょうじが風丸に聞きたい事があるらしいぞ」
「あ、あ、鬼道のばか!」
「聞きたい事?」
「なななんでもない!」
「鬼道には話して俺には話せないっていうのか?」
「や、違う…けど!」

風丸とみょうじのやり取りを聞きながら俺はグラウンドへ向かった。

数時間後の休憩の時、みょうじが俺にうつ向きながら話しかけてきた。

「一朗太はね、その…あたしがいるから必要ないんだって」

…風丸、お前はそんなキャラだったのか。


end..

* * * *
風丸じゃなくてもいける上に鬼道がでしゃばったw

2009.12.22

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