部室の扉を開けたら、

「アアアアアア!もうなんでこうなるかな!」

なまえが叫んでいた。ちなみに、ユニフォーム姿で部室のど真ん中で道具を広げて書初めしながら。いや、意味分かんないから。

「なまえ?」
「あ、次郎!」

遅かったね皆はもうコートにいるよ、なんて筆を持って言われてもどう言えばいいのか分からない。確かに今日授業で書初めはやったけど、何故部活の時間にしかも部室で書初めをやるのか分からないし分かりたくもない。あ、ペン太の真っ白な腹が黒くなってる…なまえの仕業、じゃないな。ペン太楽しそうに墨で遊んでる…て、そうじゃない。

「なまえ、なんで書初めなんだ?」
「や、授業で上手く書けなくて悔しかったから」

そう言いながら今書いた奴を丸めるなまえ。十分綺麗な字を書くんだけど、と言ったら今年は県の展覧会狙ってるから、と言われた。

「家で練習しろよ」
「家じゃ狭いし、墨で汚したら嫌だし」
「部室汚すのはいいのかよ」
「鬼道が使ってもいいって言ったもん!」

鬼道も名前には甘いよな、本当に。帝国の奴等は大抵名前には弱い。総帥でさえなまえを可愛がっている。
「よし!もう一回!」

そう言って真剣な目付きで筆を持つなまえは普段の馬鹿っぽい姿とは違い釘付けになって鬼道に遅い、と怒られたのはなまえには秘密だ。

End..

* * * *
今から書初めです。「理想の追求」と行書で書くんですが難しい。

2009.12.13

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