「ネッパーのバカ!」
「んだと…!」

グラウンドに普段は冷静でサッカーをする時以外は声を張り上げない筈のリオーネの声が響いた。

今はカオスとしての練習中であって、周りにいた者は何事かとリオーネの方を見た。

「ネッパー、貴方はどうしていつもそうなのよ」
「知らね」
「知らないではすまないでしょう」

ひたすらネッパーに文句を言うリオーネ。第三者から見れば、ネッパーが何かをしたように見える。そこで、二人の間に入ったのはカオスのキャプテン二人。

「リオーネ、どうかしたのか」
「ガゼルさま!」
「ネッパー、何やったんだよお前」
「…バーンさま」

明らかに笑顔になるリオーネと明らかに顔を曇らせるネッパー。

「ガゼルさま、聞いて下さいますか」
「ああ。何があったんだ」
「ネッパーが私にだけボールを回してくれないんです」

ネッパーに嫌われてるのかも、と小さく呟くリオーネは少なからずネッパーに恋心を抱いているのは周知の事。

ガゼルとリオーネから少し離れた所でバーンがネッパーに事情を聞いている。

ネッパーは最初こそダイヤモンドダストを毛嫌いしていたものの、今では普通にガゼルたちにもパスを回すようになった。

では、何故リオーネにだけ。

「おい、ガゼル」
「なんだ」

キャプテン二人がそれぞれの言い分を教え合い聞き合えば、二人は頭痛を覚えた。

「リオーネはネッパーがボールを自分にだけ回さないから嫌われたと思い込んでいる」
「ネッパーはリオーネを恥ずかしくなって照れるから見れないらしいぜ」

リオーネの言い分はともかく、ネッパーはヘタレだな。と呟くバーン。

なんだかんだで、しっかり両想いではないか、と呟いてのはガゼル。

キャプテン二人は苦笑いしながらリオーネとネッパーに二人だけで練習する時間を設けた。

リオーネにはネッパーに根気よく話しかけろ、と。

ネッパーにはリオーネが傷ついてるんだからしっかり謝ってちゃんと練習しろよ、と。

言ってキャプテン二人は練習に戻った。

「…ネッパー、やりましょう」
「…おう」

そして、それからどうなるかは二人次第なのです。


end..

* * * *
や、ほんとすみません。

2010.03.16


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