確かに女顔ですが

 気まずそうに笑う父さんとニヤニヤ笑うアブラクサスさん。俺と兄さんはアその間ブラクサスの奥さんに貰ったクッキーと紅茶を飲み午後のティータイムを満喫していた。アブラクサスさん、奥さんおきれいですね。魔法界の人はどうしてこんなにイケメン美女が多いのだろうか?俺の周りだけ? 
 お洒落な皿に乗った最後の1個のクッキーを兄さんにあげるか手を伸ばすか迷ってると、大人気ない魔法使いたちの喧嘩は終わったらしい。ああ兄さん、俺のクッキー……手にクッキーを持つ兄さんを恨めしそうにみると兄さんは俺を見てにやり笑った。これが弱肉強食か。兄さんってそういうとこスリザリンっぽいと思うんだけどなあ、なんて考えてると俺の真後ろの扉が開いた。

「どうりで賑やかと思ったら、お客様ですか?」
「おおルシウス」

 扉を開けて入ってきたのはアブラクサスさんを幼くしたといってもいいくらいにアブラクサスさんにそっくりなプラチナブロンドの兄さんよりいくつかに見える男の子だった。アブラクサスさんは彼の名前を呼び彼の肩に手を置き誇らしげに笑った。

「息子のルシウスだよ。オリオンは会ったことあったか? お子様達はオリオンの子だ」
「ルシウスです」

 どうもといって差し出された手を握り返す。どうだ、うちの息子は俺そっくりだろう? お前も礼儀はなかった。とかまた喧嘩を始めそうな大人二人のことは全然頭に入らない。ルシウス? ルシウスってあのルシウス?あの名前が特徴的な息子を持つオデコが特徴的なお方? マルフォイさんちのルシウスくんっていったらそりゃあの人だよな。いきなりの原作キャラの登場に驚いてしまった。なんせルシウスは前世の俺の4位くらいに好きなキャラだった。微妙とかいうな、結構上位だ。ちなみに一位はスネイプだ。あいつの人生は可哀相すぎて……厨二病さえ発症しなければリリーと仲良くできてただろうになぁ。基本闇の陣営の皆さんは好きだ。ルシウスなんて最後はただのヘタレになってて同じヘタレとしては親近感が湧いた。

「よかったねレギュ。レギュはシグナスのとこの三姉妹しか友達がいなかっただろう。はじめての男の子の友達じゃないか」

 そう笑って俺の頭に手をおいて俺とルシウスを見比べる父さん。いや、俺のない友好関係を晒しさないでよ!やめたげてよぉ!ていうかうんうん頷いてるけど友達いないのは兄さんも一緒じゃん!シグナスのとこの三姉妹とは我が従姉妹の、ベラトリックス、アンドロメダ、ナルシッサだ。ブラック家でパーティーを開けば毎回会っている気がする。美少女三姉妹に囲まれるなんておいしすぎる……と前世の俺なら思っただろうが現実はそうはいかなかった。三姉妹揃えば俺は着せ替え人形となるのだ。悲しくも恐ろしい。確かに同年代で仲がいいというとあの三姉妹しかいない。初男友達がルシウス!

「レギュラスです。改めてよろしく」
「あぁよろしく、Missブラック」


 ん?あれ?ミス?え?もしかして俺女の子だと思われてる?








穴があったら埋めたい








 ぶはっ!と父さんと兄さん、マルフォイ夫妻が吹き出して笑った。

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