平澤くんには彼女がいますがいないってことでお願いします。





 私たちが滝沢朗くんと出会って半年。時間は刻々とすぎていくけど、この日本は相変わらずで、滝沢くんも見つからないままだった。

「咲ちゃん!咲ちゃん!差し入れ買ってきたよ!」
「来て早々他に言うことはないのか、大杉」

 ハイテンションで東のエデンのドアを開けた大杉くんは咲ちゃんしか見えていないみたいで、平澤くんを筆頭に皆呆れたようにため息をついていた。そんないつもの光景が面白くて私は一人クスクスと笑ってしまった。

「千花、笑ってないで頭お花畑の大杉に一言言ってやれ」
「んー、お仕事お疲れさま?」
「そうじゃなくてだな…」
「誰が頭お花畑だよ!?」
「もううるさいよー」

 怒る大杉くんに呆れる平澤くんに笑う私。そんな私たちにみっちょんは頬を膨らまし言った。ごめんごめんと笑い一段落した仕事を終えコーヒーを入れに向かった。

「千花ちゃん終わり?」
「うん今日はがんばっちゃったから。お先に失礼しますね」
「なら大杉送っててやれよ」
「ん?ああいいよ」

 脱いでいた上着を着ていると平澤くんがそう言った。別に大丈夫だよと断ろうとすれば、平澤くんに真っ暗な街を女の子一人歩かせるわけにはいかないだろうと怒られてしまう。別に今の日本じゃ大丈夫だと思うけどなあ。大杉くんだって咲ちゃんに会いにきたんだろうに、なんでオッケーしちゃうのか。だからずっと片思いなのかも。なんてひどいことを考えてしまった。それにしても、


「平澤くんは過保護なんだから」
「なっ!俺はお前を心配して、」
「うん、ありがと。私も好きだよ?」
「そういう冗談はやめてくれ!」
「顔真っ赤だよ?かわいいね」

 また平澤先輩がからかわれてますよ。千花ちゃんは小悪魔だから。でもあの二人のイチャイチャは今に始まったことじゃないし。二人とも付き合わないのかしらねえ、お似合いなのに。僕達いつまで応援すればいんですかね。さぁ、なんだかんだで千花は素直じゃないから。おい!なんの話だよ!…大杉くん。



good boy





0108 Eden of the East
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