僕、折原千花の人生は良くも悪くも普通で、日本人男性の平均的なものだと思う。適当に勉強し、適当な大学に入り、大学で適当に作った会社が成功して、そのまま社長という立場になって働いてる。あ、会社が成功したというのは一応社会から見ては勝ち組のうちに入るのかな。でも社長といっても細々とやっている小さな会社だから収入は普通。高校の時付き合っていた女の子とそのまま無事結婚し幸せな家庭を築き始めたばかり。俺の人生は順調順調。後は老後のためにコツコツと貯金をしながら、愛しい妻と去年生まれたばかりの息子を温かい目で見つめていくことが楽しみだ。25才、僕の人生はまだ始まったばかり。

「ぱーぱっ」
「いーくん、起きたんでちゅね!ほらガラガラですよー!」
「千花くん、顔デレデレで今すぐに誘拐しそうな犯人みたいだよ」
「ママが嫉妬してくるね〜!後で可愛がってあげなきゃってイタっ!臨子痛いよ!」
「あうーまーまっ」

 妻の名前は臨子。某現実なゲームのキャラと同じりんこ!高校時代クラス一の美少女と言われていた彼女と僕が結婚できたのは奇跡にちがいない。しかも臨子から告白してきたというダブル奇跡!あの時の臨子はとっても可愛かった。もちろん今でも可愛いけど!緊張して顔を真っ赤に林檎見たいに染めてて「好きなの」って…思い出すだけで可愛い!

「臨也はこんなんなっちゃだめよ」
「あう」
「可愛いよいーくん!さすが臨子似なだけある!」
「千花くんうるさいってば…!」

 息子の名前は臨子から一字貰って臨也。りんやはちょっと可笑しいかなと思いいざやにしたけどもしかしてDQNネームかもと心配。臨也が生まれた時はテンション上がりすぎていい名前!としか思わず役所に提出したけど、役所の人がちょっと困った顔していたのを思い出すと少し不安。でも今はDQNネームといわれる名前の子が多いと聞くし馴染んでくれるはず。もしそうじゃなくても臨也は男の子なのに1歳でもうパパ、ママと言えるくらいだから頭もよい、はずだから大丈夫。

「臨也は将来クラス一頭がよくて顔もイケメンで女の子からキャーキャー言われる爽やかな子に育ってね!」
「それ千花くんの願望でしょ?」
「え?何で知ってるんだ?」
「あう!」
「……(千花くん充分キャーキャー言われてたのに)」
「?なんて?」
「いーくんご飯食べましょ!」
「ちょっと臨子さーん?」

 こんな楽しい家庭を守るために僕は明日も必死で働いてきます。美人な妻に可愛い息子。僕はとても幸せだ。

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テーマ「人外ファンタジー」
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