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 三原則




ある日の部活の時間。
立海大男子テニス部の部長幸村精市とマネージャーの私は
保健室で顔を真っ青にしていた。


私たちの目の前には綺麗な赤髪の男と体重計。


「ブン太、これはどういうことかな?」


「あ、いやそのー。色々と…」


『…この前計ったときは何キロだったの…』


「62」


『今は?』


「…+1、2キロくらい」


「違うし。お前いつから足し算の計算できなくなったんだよ。」


「すみません」



最近ブン太はお菓子を食べるようになった。
否、以前より食べるようになった。

朝練が終わってからボリボリ、休み時間にボリボリ、昼ご飯の後にボリボリ、部活前に休憩時間に終了後に………。
酷い食生活を送っている。

私はマネージャーだから体のことを心配して
何度か注意していたのだが、受け入れてくれず。
私がお菓子を取り上げようとしても上手くいかず。

肥満寸前だったのが今では肥満なのではないのでしょうかというくらいに。

だから部長の幸村に相談してみた。
まずは現場検証だ。と微笑みながらブン太を保健室へ連れて来た。

で、今に至る。

幸村も予想以上の結果に開いた口が塞がらないようだ。


『警部、すみません。私が犯人を捕り逃がしていたばっかりに…』


「いや、君のせいじゃない。犯人が毎回このお腹な中に逃げ込んでしまうからだ」


『はい。犯人の共犯者のお腹に逃走するんです』


「逃走したあげくに共犯者の脂肪に変装しているみたいだね。バレバレだけど」


「2人共そこで警官プレイなんてしてんじゃねぇよぃ。
つーかお菓子を犯人扱いするな!」


私たちの警官プレイに文句を言っているブン太に何かを閃いた幸村が言い放った。


「ブン太、仕方ないから今俺がお前の為にこれからの規則を作ってあげたよ」


「ぇあ、いいっすまじでそんなの!」


「"非菓子三原則"って言ってね。あ、非核三原則じゃないよ?」


『「…はい?」』


「だからさ、聞いてた?非菓子三原則だよ。
"持たず、つくらず、持ち込ませず"
ブン太はこれから非核三原則のように
お菓子を持たず、作らず、持ち込まないでね。
期間は、そうだね…3週間くらいかな」


「はっ!なにそれ?」


『ブン太できる?ちょっとの間我慢すればいいんだってよ』


「無理無理無理!いや無理っしょ!
俺今までどうやって生活してきたと思ってんだよぃ。
逆に生活習慣悪くなるって」


『期間中に最低でも元に戻さないとプラス一ヶ月禁止にするよ』


「あれ。なんだか俺の喉にお菓子通行止めのフラグが立った気がする」


喉にフラグ立ったら窒息死じゃん。


「そういえば、猫はブン太と同じクラスだよね?
家庭科の授業なにやってる?」


『次調理実習。しかも明日、しかもお菓子作りだった気がする』


「っしゃ!」


「まったく、家庭科の花村どうかしてるね。
こんなときに調理実習とかタイミング悪いでしょ。
猫、ブン太と一緒にサボっちゃえば?」


『部長が部員にサボれとか言っちゃう?』


しかしよく考えれば授業出ると幸村の三原則"つくらず"を早速破ってしまう。


そういえば家庭科の花村は私が一番嫌いな先生じゃん。
生徒の意見は聞かないわ自分勝手で説明下手だから授業全くわかんないわ最悪。

この前なんてあいつが副顧問やってる吹奏楽部の子と口喧嘩したらしい。
いやいや、生徒と喧嘩とかマジどんだけぇ〜と人差し指を立てて言いたくなる。

そんなんだから50過ぎても独身のままなんだよ。もう希望ないからなこの野郎。


『あ゙ーなんかイライラしてきた。
ブン太、マジでサボろっか!仁王も一緒に。何なら明日休んでもいいよ』


「お菓子作りは…」


「だからつくるのも禁止なんだってば。
取り敢えず今日から3週間はお菓子我慢ね?
猫は仁王とクラスで監視よろしく」


『あいよ』


「あとブン太、俺達がいないからって家でばくばく食べるなよ。
毎日部活前に体重計乗るからね」


「俺3週間後ゾンビ化してるぜきっと」







――――――――――――

なんか中途半端に終わっちゃった。
続きを書くか検討中

"家庭科 花村"というキーワードに心当たりのあるそこのあなた!
あなたとは語れそうな気がするのは気のせいですか?

 





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