四つ目

教室に入るとクラスメイト達に挨拶をされる。
笑顔で返しながら席に着く。(教室を見たら分かった)


午前中の授業中はずっと考えていた。
自分はなぜここに来たのか。
向こうでの自分はどうなっているのか。
しばらく考えていたが、答えがでるはずもなく。取り敢えずこれまで通り適当に生活していく事にした。
こちらの自分もそういう感じだったようだし。
特に向こうに未練がある訳でもない。
むしろ、こちらの方が楽しめそうだとすら思っていた。

取り敢えず、枯れた青春取り戻そう.....!などと馬鹿な事を考えていると授業が終わった。




どうやらもう昼休みらしい。
周りの生徒達にがわらわらと騒ぎ立てている。
それをぼうっと見ていると青峰が近付いて来た。
手にはコンビニの袋を持っている。
どうやら彼といつも食べていたようだ。
彼を見上げると不思議そうに見てくる。


「どうした?早く行こーぜ。」


腹減ったんだよ、などと言いながら待っている。
複数で食べているのだろうか。


『おー、今行.....く......あぁ!!』


青峰が驚いているが、そのまま続ける。


『弁当忘れた!!!』


それを聞いた青峰が呆れたような顔をする。しょうがないだろう、自分なりに混乱していたのだ。


「なに言ってんだよ、要らないだろ。」


馬鹿かよ、と言いながら腕をぐいぐいと引かれ何処かえと連れていかれる。
弁当忘れる馬鹿は食うなという意味なのか、酷い.....などと考えていると青峰の足が止まる。
付いたのだろうかと顔を上げると同時に青峰が扉を開けた。




ついた先は屋上だった。
今日は天気が良かったため、青空が広がっている。


「青峰っちと名前っち、遅いっスよー!もう先に食ってるっス!」

「悪い、名前が意味分かんねえ事言いだしてよ。」


青峰は付くなり黄瀬という男と喋り出した。というか弁当忘れたのって意味わからないことなのか。


「名前。」


綺麗な声だ。低過ぎず、高過ぎず。
よく通りそうな声。
何故か呼ばれた瞬間、心臓がどくりと動いた。
視線を動かし声の主を見る。
赤髪の綺麗な男がこちらを見ていた。
赤司 征十郎、バスケ部の主将で俺の、

恋人だ。

俺が固まっているのを不審に思ったのかもう一度声をかけて来る。


「名前?」

「おー、そうだそうだ。赤司こいつ今日変なんだよ。ずっと考え事してっしよ。」


余計な事を、と思い青峰をじろりと見ると、腕をがしりと捕まれる。


「取り敢えず座れ、その事は後で聞き出す。ほら、今日の分。」


ものすごく怖い笑顔と共に重箱が差し出される。
え、となりつつ慌てて受け取る。
弁当まで作って貰ってんのかよこっちの俺ぇぇえ!!しかも重箱かい!!


驚愕しつつ蓋を開けてさらに驚愕。
何ですかこのご馳走。

向こうの俺と何という差なんだ。
(金が無いためお握り二個とかで済ましていた)



ちょっと涙ぐんでいると赤司が小首を傾げながら聞いてくる。


「どうした、食べないのか?」

『たっ、食べる食べる!頂きます!』


箸を出して早速一つ頂く。うまい、うますぎる。
余りのうまさに感動していると赤司がにこにこしながら聞いてきた。


「美味いか?」

『うん!すげー美味い。幸せ。』


それを聞くと赤司は物凄く綺麗に笑った。それを見てまたどくどくと心臓の音が早まる。こういう所に惚れたんだろいうか。
豪華な昼食に隣には美人な恋人。
ちょっと幸せ過ぎないだろうと思いつつあたりを見渡す。

黒子に黄瀬、青峰に紫原に緑間そして赤司と俺。俺以外見事にバスケ部メンバーだった。





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