二つ目


誰だ、こんな早い時間に。

ふらりと立ち上がり玄関へ向かう。

そして、ドアを開けた。



最初に目に入ってきたのは水色だった。

視線をゆっくりと下げ、人物の顔を視界に入れる。
すると、やはりその人物の事が分かった。

名前は黒子テツヤ。
幼馴染であり、仲が良いこと。
体力が無いため、毎朝自分と一緒にランニングをしている事。


なるほど、だからこんな朝早くに。
そう考えつつ、目の前の少年______黒子をぼんやりと見る。


しばらくそうしていると、黒子が口を開いた。


「名前くん、どうしたんですか。」

珍しいですね、寝坊ですか?
少年はそう言いながら、名前の服装をちらりと見た。
スウェットのままだった事からそう判断したらしい。


『あー、昨日寝たの遅かったからなー。』


するっと、言葉が自然に出てきた。
内心少し驚いたが、そのまま続ける。


『悪い、急いで用意するわ。上がって待っててくれ。』


身体を傾け入り口のスペースを空ける。
それを見ると黒子は頷き部屋へ上がってきた。



適当に用意を済ませ、 二人で部屋を出る。


その後、一時間ほど走り黒子と別れたのち家へと帰って来た。

なんと言うか.....本当に体力無かったな。
少し走っただけで息が上がる黒子に合わせて走るのはなかなか大変だった。
ちなみにこちらの自分は中々体力があるらしい。少しもへばらなかった。



部屋へ入り、シャワーを浴びる。
カレンダーを見た所平日だった為、ハンガーに掛けてあった制服に腕を通した。

朝食を食べ、暫くするとまたチャイムがなる。
鞄を持ち玄関へ向かうと黒子だった。
いつも一緒に行っていたらしい。
別れ際にまた後で、と言われたことから知っていた。


部屋を出て、二人並んで歩き出す。
黒子とはたわいの無い会話をしながら歩いた。

そういえば、友人と登校するのは初めてかもしれない。
向こうの自分は友人がいない訳では無かったが、どちらかといえば広く浅く多くの友人がいるような感じだったので、
それ程深い仲の友人は居なかったのだ。

胸がむず痒くなるのを感じながら、何となく居心地のいい空間を楽しんだ。








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