It exists.
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真っ暗な夜道
名前が少し先を歩いてる


声をかけても振り向かない
追いつこうと走っても追いつけない


待ってくれよ、行かないでくれ

俺を置いて行くな

「名前!!!!!!!!」


ピタリ

足が止まる


届いた、そう思い駆け寄る
今度はちゃんと、追いついた

「名前........?」


彼に近寄りそっと肩に触れようとすると、手が届く前に彼は振り向いた




見たこともない、不気味な笑みを浮かべて。






「.........ッ!!」



飛び上がるように起き上がり、荒く息をする。
冷や汗が米神を伝った



「夢..........?」



あたりを見渡す。
いつものベット いつもの天井
全て普段と変わらない


ただ一つ違うのは


隣に彼がいないこと


ハッとしてベットから飛び出る。
走ってリビングに行くと、ソファーに座ってテレビを見ていた名前が驚いたようにこちらを向いた


『ど、どうした?!なんかあったの......か......』

彼がそう言い終わる前に思い切り抱きつく
荒く息をしていると、もう一度声をかけて来てくれた

『どうか、したのか。』

ゆるゆると頭に触れられ、撫でられる
その感覚にどうしようもなく落ち着いた

そして、今の状況がどうも気恥ずかしくなり始めた


「わ、悪いなんでもないんだ。ちょっと夢見が悪くて....」

そういいながら離れようとすると、肩に手が回り強く抱きしめられた。
彼が笑っている気配がする


『ふーん、怖い夢でも見たの?それで俺んとこに慌ててきたのか、かわいいねぇ。』

「なっ!ちが!離せ!」

『おわ!暴れるなよ急に!』


無理やり離れて、キッと見下ろすと名前はニヤニヤと笑いながら言った


『怖い夢を見たなら、おにーさんに言ってご覧。悪い夢は言っちゃえば見なくなるぞ〜。』

「うるせぇ!変な声出してんじゃねーよ!」


そういいながら彼の隣に座る

普段の調子、なにも変わらない

自分はなにを焦っていたのか気恥ずかしくなるほどだ。





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