チルコさま4 | ナノ


自分にそう言い聞かせているうち、ぼくはいつの間にか眠りに落ちてしまっていた。

「――パ、パパ、起きて。」
ゆさゆさと身体を揺さぶられ、ぼくは目を覚ました。
「んー……みぬきか、何?」
「お客さんだって。」
「お客さん?こんな時間に?」
時計の針にふと目をやると、もう8時を少し過ぎていた。
「うん。早く出て。」
「オドロキくんにじゃないの?」
「そうじゃなくて、パパにお客さん。」
「ぼくに……?」
誰だろう、そう思って事務所の方に行くと、そこには見覚えのある姿があった。

「……真宵、ちゃん?」
真宵ちゃんは怒っているのか泣いているのか分からないような顔で、ソファに座っていた。
「……なるほどくん……。」
ぼくを見つめる彼女は、最後に会った時よりも遥かに大人びて、どこか千尋さんに似ていた。
「来て!!」
「え!」
彼女は立ち上がりぼくに近づくと、その細い腕のどこからそんな力が出るんだというほど強い力でぼくの腕を引き、事務所の外に出た。
「ま、真宵ちゃん、どこへ……。」
彼女は何も言わずに歩く。

暫く歩いて、人気の無い公園に着いた。
公園の敷地に入ると、真宵ちゃんはぼくの手を放してぼくと向き合った。






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