チルコさま2 | ナノ


「びっくりした……最近全然連絡取ってなかったから……。――元気?」
「あぁ。」
色々話すと余計な感情が生まれて、決意が乱れてしまいそうなので、短い返事を返した。
「でさ、何かあったの?」
「うん……ちょっと話があるんだけど、今から会える?」
「今からって……もう6時だよ?会う頃には8時になっちゃうよ。」
「ハハッ、だよな…。」
分かっていた。ダメで元々だ。ただ、最後の別れくらいは、直接伝えたかったのだ。
けれど、会えないなら仕方ない。
嫌なコトはさっさと済ませて、早くラクになろう。

「あのさ、真宵ちゃん。」
心が、ぼくがこれから言おうとしている言葉を拒む。
それを振り切って、ぼくは口を開いた。

「さよならしようか。」

「――……え?」
真宵ちゃんがそう言った直後、波紋のように広がる沈黙。
ぼくはまた、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「お別れ、しようか。」
「………!」
今にも泣き出しそうな真宵ちゃんの顔が脳裏に浮かぶ。
だけどぼくは決めたんだ、別れるって。
「どうして……?」
真宵ちゃんの声は震えていた。
「あたしのコト、嫌いになっちゃった?」
「そうじゃないよ。」
「じゃあどうして?」






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