※注意
少しだけ性描写あります、ほんの少しだけ…。
全体的にゴエモンのイメージを激しく壊してしまう文章になってますのでご注意ください…!

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だらだらだらだらだら




冷や汗が全身から滝のように流れていく





窓からさした太陽の光が

素っ裸のおいらを輝かしく照らしている。





照らさんでいい!!

ヤバイことをしてしまっているんだから!!






自分の置かれている状況を寝起きの頭をふりしぼって理解すれば
あまりにも衝撃的すぎて開いた口がしまらなかった








「お、おっ、おいら…、
なっ、なにしてんだ!?
あ!?ああ…おいら…!?」



震える声が、
おいらの横で、
素っ裸で寝ていた女に聞こえてしまったようで



「…おはようございます、ゴエモンさん」



おいらは死んだ。













**********



死んでねぇけど死んだようなもんだ。



だって!

知らねえ女と寝ちまったんだから!



いや…落ち着けおいら…!

思い出すんだ…!
昨日のことを…









〜回想〜



昨日、おいらはおみっちゃんの変化に気付くことができなかった。


『ゴエモンさん、今日私なにか違うと思わない?』


『え゛!?え、えっとぉ〜…』




実を言うと、女が問いかけてくる質問の中で一番苦手なのがこれだった。



こう聞いてくる事にかぎって、すんげぇちっちゃい変化だったりするんでい。


んなもんわかるわけねーーよ!!
ってことが本当に多い。


だって毎日のようにおみっちゃんに会ってんだからさあ、
慣れちまって…わかんねぇよ…。



だけどよぉ、こういうのは、
だんまりすると…余計怒るんでい…

わからなくてもとりあえずなんか言っとかなきゃいけねぇんだよ…



だから、おいら言ったんでい…



『か、髪型…かえた?』



髪型なんかあきらかにいつもといっしょに見えた。

でも言わねぇと!と思って言っちまったんでい…

ばかだろ…、やっぱりハズレてた。




『んもぉ〜違うわよ!
"まつげえくすて"を着けたの!』


『"まつげえくすて"…?なんでいそりゃ』


『ほらここ!まつげがいつもより長いでしょう?』


『えっ?あ、そう…だな!』


んなもんわかんねーーよ!!


『ほんとにいつもいつもゴエモンさんは、気付いてくれない!
がんばって可愛くなろうとしてるのに…
ゴエモンさんのわからずや!』


『ちょっ、おみっちゃん!どこいくんでい!
おみっちゃーーーーん!!!』










おみっちゃんは怒っちまって、おいらの声なんか聞かずに帰っちまった。


まつげのことなんて…わかるわけねぇよ


だって、いつだって、おみっちゃんのまつげは長いじゃんよ


…いつだって、おみっちゃんは可愛いじゃねぇか


……



そんなこと言ったって、しばらくは許してもらえねぇーだろうな…。





…………………。







************






『今夜はやけ酒でい!!
おっさん!一番強い酒を頼む!!』


『あいよ』



エビといっしょに飲もうかと思ってさっき誘いに行ったら、マオちゃんを抱っこしながら

『今日は家族サービスの日ですねん』

なんて言いやがってー!



エビに家庭があることを忘れていたぜ…

つーかいつの間に子供作ったんだよ…


腐れ縁のおいらでさえまだ嫁さんの顔、見たことねえしなあ


ていうかなんでエビとマオちゃんはあんなに激似なんだ?

あきらかにエビのDNAしか受け継いでねぇじゃねぇか




『へいおまち!』




どんだけエビのDNA強えんだよ

成長したらありゃエビ2号だな

大食いになるんだろうか

いや、でも案外おしとやかで少食になるかもな

そんで…いつかは…おいらにこう言うんだろうな…


『ゴエおじちゃんお年玉ちょうだい!』



おじちゃん…か…。















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━━━━━━…













『おっさん、もう一杯…』


『兄ちゃんちょっと飲み過ぎだよ』


『うっせー、酒に頼んなきゃ…人恋しいんだよぉ…』


『…なんかあったのかい?』


『うぐぐ…。
長年付き合ってる子と未だにうまいかねぇことがあって……。
いつもいつも……細かいことで怒らせちまうんだよなぁ…。
はあ〜…』


『へぇ〜、その子とはかなり長いのかい?』


『ああ、3年?4年くらいか…?いや、もっとか…?わすれた』



『…兄ちゃん、長いこといっしょにいすぎなんだよ。
たまには息抜きでもしてごらん』


『あ?息抜き?なにをすればいいんでい?』


『そりゃあ他の女の子と…』


『あ!!??』


『うおっ!びっくりした』


『ほかの女の子っつーことは浮気しろと!?』


『なんだなんだ、動揺しすぎだって。
遊郭行って、遊女と遊べば浮気にはならんよ』


『てやんでい!なるだろ!』


『兄ちゃんそんなんだからいちいち悩んじまうんだよ。もっと肩の力おとしてさ〜…。

いいか?
遊女なんて、一夜限りの関係だろ?
ただそれだけだ。
なんにも気にしなくていい。
相手だって仕事なんだから、明日になりゃ昨夜のことなんて忘れちまうよ』


『そ、そうなのか……?』


『そうさ、俺いいとこ知ってるから兄ちゃんに教えるよ。
花街の路地んとこにあるんだけど、最近出来た店でな………』













━━━━━━……








『こ、ここか…!』



あのおっさんの気迫に負けて、ほんとに来てみたが…


ほんとにいりくんだ路地の奥にあって、おっさんが教えてくれなきゃわかんねーよーなとこだ




うぬぬ…、遊郭か…


人生初の試みでい




だけどいい感じに酔いもまわってるし
金なんて山ほどもってるし

もう怖いもんなんかねえぜ…!




覚悟をきめておいらはおもいっきり店の戸をあけた



ガララララッ


『いちばん可愛い子を頼む!!』


『おお!びっくりした!
いらっしゃい、少々お待ちを…』





なんか想像してた感じとは程遠い受付のおばさ…姉ちゃんの言うとおりにおいらは戸をあけたまま突っ立ってた。




その間に店内をじろじろ見回すけど…
な〜んか…いめーじと全然ちげぇな…

もっと、高らかと怪しげに"ざ・遊郭"!
っつーかんじだと思っていたけど


なんつーか、普通の家みたい感じだ。




だって、向こうの方でやかんが沸騰してる音が聞こえる…。




そうこう思ってるうちにさっきのおば…、姉ちゃんがやってきた。


『おまたせしました、ご案内いたします』


『お、おう…』






ばくばくばくばく

心臓が尋常じゃねえくらい鳴り響く



目的の部屋までの廊下にもいくつか小部屋があって、
こん中で他の奴らもおっ始めてるのかと考えれば…なんとも言えない気持ちになった。



『こちらです』


『!』


『どうぞ』



スッと開いた戸の先には
もう…ほんとにびっくりするぐれぇ美人で、豪華な着物を見にまとった子が…。


座りながら頭を深々と下げて、
綺麗な瞳でおいらを見つめる。



『ようこそお越しくださいました』


『……』




いちばん可愛い子を頼む!とは言ったが
まさかこんな美人な子がくるとは想像もしなかったぜ…。

なんにも喋れないまま中に入れられて、
おどおど戸惑っていればさっきのおば…姉ちゃんは静かに扉を閉めていった。




ええい、おどおどしたってしょうがねぇ


おいらはもう腹くくって、ここに来たんでい






美人な子の名前も聞かず、おいらはすぐそこに敷かれた布団に押し倒して、
その子のきつく巻かれた帯を乱暴にほどいていく


一枚、二枚と、どんどん脱がしていけばこれまた白くて綺麗な肌が見えてきて…


おいらはだんだん息が荒くなる

そんで、情けねぇことに自分でも興奮してることがわかって
下半身がもこもこしてきた…



…けど



そのたんびに、おいらの頭ん中にはおみっちゃんのことでいっぱいになる



いかんいかん…!
目の前のことに集中しねぇと…!!






『迷っていますか?』


『…!』


『あなたの顔をみればわかります

無理にあなたから抱こうとしなくてもいいんですよ、
だから、私に身をゆだねて…。』


『ちょっ、まってくれ…うおっ!』



見事に図星をつかれて、一瞬力をぬいてしまったせいで今度はおいらが押し倒されている側になってしまった。


女の子に押し倒されたことなんかうまれてはじめてて、頭が混乱して
気付けば目の前に女の子の顔があって、びっくりする暇もなく口付けられてしまった


何回も何回も口付けを繰り返して
自然な流れで舌がするっと入ってきて…



もう、完全にされるがままだった…。



口付けされてる間に
服をどんどん脱がされてって、体にも口付けされて…

しまいにゃ下半身にまで手をのばされて…





おいら、おいら……………













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━━━━…








〜回想終了〜






「あ〜…、おいらなんてことを…」


「いろいろとショックでしょうからあったかいお茶をいれましたよ、どうぞ」


「お、おお…」


「頭の整理がつくまでここでゆっくりしていってくださいね。
この店、ぼったくりですけど延長料金はとらないので…。」


おいらが昨日の回想をしている間に
かなり楽そうな着物に着替えた女の子がお茶をだしてくれた。


…つーか自分の店を"ぼったくり"なんて言っちまっていいのか…?

そう思っても口には出さずにおいらは大人しく出してもらったお茶を口ん中に流し込む。



「でも、本当に驚きました。
まさかゴエモンさんがこのお店にくるなんて」




…………………………


ん?



「なんでお前ぇさん…おいらの名前知ってんだ…?おいら名乗ったっけ?」


「えへへ、やっぱり気付いてませんでしたか。
私、ゴエモンさん家の隣に住んでるいろはですよ」


「は、は?」


「厚化粧だから別人みたいでしょう?」


「は…、…?」


「ふふ、」




くすくす笑うその子が、お隣さんのいろはちゃん…だって?



あ………………?



へ!!???











〜続く〜





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