2015/04/03 18:23



おいらが頭を撫でたらうつむいて…
顔を真っ赤にさせてたことがあった。

そんな顔、みたことなくて、
うれしくて、
おいらのことを男として意識してくれてんだと思って。

…そんな可愛い顔をみたら、我慢できなくなっちまって。


うつむいた顔をのぞきこむように
その子の頬に手を添えながら、口づけてしまった。


はじめて触れる、頬。
はじめて触れる、唇。

やっちまった、という思い。

…けど、その思いは別の感情に消えていく。



柔らかい頬、柔らかい唇。
…そう思い込んでいた感触じゃ…なかった。


冷たい頬、…硬い唇。
これじゃあ…まるで…。


ばっ! とおいらを突き放した彼女の腕は、
手首の部分がまるでカラクリのようになっていた。


「ごめんなさい…」


まだ頭がついていかない。

ずっと好きだった子が、カラクリだったってか?



笑った顔がみたかったのに、
彼女の瞳には涙がたまってった、 。