Nn・紅子さんの作品「ちょっと位は嫌われたい」の続き?コネタ


揺れるチェーンに当たった鍵が音を立てる。
相手の行動を制限し自分が主導権を握っているという状態は気持ちいい。手錠の冷たさが心地良かった。
「行かないで」
主導権を握っているのは僕だ。今この状況を変えられるのは僕しかいない。どう答えても意味は無い。
「僕と彼女、どっちを取るの」
「そういう問題じゃねぇだろ」
「そういう問題だよ」
今から会いに行くであろう女性とも多分肉体的な関係はあるのだろう。ラーに言わせれば、今からそんな事をする為に行く訳では無いらしいが。
身体関係があるのならば両者とも条件は同じ。性別が違うだけ。別の人間というだけ。
女性に会いに行くのなら女性を選んだと言う事だし、ここにいてくれるのなら僕を選んでくれたと言う事。それ以外何も無い。
「行かないでしょ…?」
断定的な口調にラーが不快を露わにした。
僕を選んでよ、口だけでもただ一言口にするだけでもいいから。
お互い好きで一緒にいる筈なのに何か違う。どこからかひびが入っている。一般的に付き合っていると言われる関係に当てはまるのか微妙な気がする。
付き合っていると言って欲しい。一緒にいるのは僕だけでいいと。僕がいればいいと思って欲しい。
「……ドラゴンは気位が高くて心を許さない分、気に入った相手に対しての執着は凄まじい」
以前、ライカが言っていたドラゴンの特徴。
「お前みてえだ」
「きっと僕がドラゴンだったら、とっくに影食いしていると思うよ」
頬を挟んだ顔に近付く。触れるギリギリまで近付けた顔を反らし肩に埋めた。
「ラーの全てが僕のものになるのなら、今すぐドラゴンになりたい」
首を噛む。食いちぎる気なんて無いけれど。
同じネタメモとしてとってあったので追記(えろねた注意)




手錠を付けたままのラー
お互い好きで付き合っている手前強くジェフティを突き放せない
勝手にラー様のアニマムンディをいじってことを済ませようとするジェフティ

「大丈夫、僕がいれ…っひ」
切れそうになる痛みに顔を歪める。気を抜けば浮きそうになる腰をゆっくりとおろす。
「う、んん、いた、……ぅ」
「ジェフティ、もう」
「…やめないから。ラーは、何も考えなくていいから。ずっと此処にいて。僕だけ見てて」
ここまでしたらもう女性の元に行く気など失せ始めているはず。行ったとしてももう遅刻だ。
ラーの携帯が鳴る。
入りきっていないままの状態で一時中断。動けないラーの代わりに携帯を取り出す。画面にある名前は知らないがきっと待ち合わせの女性。
「僕が出ちゃおうか」
「やめろ。…もう行かねえよ」
「そう」
浮き立つ心を抑えながら淡白な一言で終わらせる。電源ボタンを押し、電話が切れた。電源ごと切って携帯は会議室の机の上に置く。
いい気味。






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