近くに居すぎて見えなくなっていた。
お互い側にいればいる程に必要無いと思った。けれど離れればただ寂しいだけで、こうして数年ぶりに見たジェフティは昔とは同じではなくなっていて。
もう、繋いだ手は懐かしすぎて。
久しぶりに会ったと言うのに顔すらまともに見させてはくれないし、落ち着いて見た顔は昔と同じあどけない寝顔。やっとちゃんと見せてくれるようになった顔は、昔より硬い。
硝子細工や高価な壺ではないが、触れたら、抱き締めたら壊れそうだと思っていた。以前より男らしくなったと思う体付きでも、その印象は拭えない。
「好きだよ、ラーの事が」
世界で一番お前が好きだなんてありふれた言葉を使いたくない。
考えは同じだったらしく、抑えきれなくなったみたいな低い掠れた声でジェフティが呟いた。
「俺も」
親父よりお袋より、友達より仲間より恋人達より。
何よりもかけがえのない幼なじみ。
「世界で一番、ジェフティが好きだ」使いたくもない言葉なのに、使ってしまうのはこれ以上に気持ちに近い言葉が無いからだ。言語が足りない。世界中の言葉で何を言っても、きっとこの気持ちは言葉にできない。
ジェフティが考えている以上に俺がジェフティを好きだとは、ジェフティはわかっていないだろう。







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