「恵那を――よろしくね」 ねえ、大助。 私が今からすることを聞いたら、どうしようもなく優しくてお人好しな貴方は私を止めるのかしら? でもね、私わかったのよ。 私が、今ここにいる意味。大助と出会った意味も、霞王や愛理衣や寧子さんや――大勢の虫憑き達と、出会った意味も。 そして、あの日、あの病室で摩理と出会った意味も。 きっと全部この瞬間に繋がる為にあって、今だって夢の続きに繋がっているんだわ。 この世界に。私達が歩いてきた、この道に。意味のないものなんて、一つもない。 だから貴方は、走って行って。 そこは、果てしなく遠い明日かもしれないけれど―― 輝きに満ちた朝が、きっと待っているはずだから。 この流星群の夜に夢見た未来で、私達は待っているから。 決して、永遠の別れなどではない。 だから―― 私が言う言葉は、もう決まっている。 |