1、女の子らしい
 2、大人しい
 3、慎みがあって健気

 好みなんて結局あてにはならないのだ。
 女の子らしいというよりは勇ましい。理由なんかなくとも走って行っては騒動を起こすそれは大人しいとは言い難いし、慎みもなければ恥じらいもない。短いスカートで足技を仕掛けてくる姿は「はしたない」という言葉がぴったりだと思う。
 なのに、危なっかしいと思いながら見ていたはずの視線が、いつの間にか違う理由になっていたことに気が付いた。
 小柄な身体は、どこに向かうのだろう。次はどこを目指して、どんなことをしでかしてくれるのだろう。
 あの黒い瞳が見つめる先には、どんな輝きが待っているんだろう。
 あの少女の一挙一動に意識全てを奪われていることに、気付いてしまった。
 本当に、オレはどうしようもなく、こいつに惚れているのだと。
 そして思う。
 金髪の少女がこれを聞いたら、ソプラノボイスには似合わぬ攻撃的な口調で──「腑抜けている」と指摘されてしまうのだろうかと、そんなことを。










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