ヴィタ・セクスアリス


「もっ、やだっ、ノゼルさまゆるして…っ、」


咥えていた乳首を離せば、赤く腫れあがった乳輪にうっすらと歯型がついていた。卑猥だ、と柄にもなく気分が高揚し、舌を尖らせてこそに這わせた。


「イかせて、ッも、やだ、もうやだ我慢できな…っあぁ、!」


陰核も此奴が涙を流すほど弄ってやると、もう少し刺激を与えればいとも簡単に絶頂してしまうまで敏感になっていた。
私の腕を掴み、涙を流して懇願する惨めな姿に酷く興奮する。もっとその情けない表情が見たくて、全てを晒して私以外何も考えられなくなればいいと思った。

だらしなく涎が垂れた口元に小さくキスをしてから口内を舌で犯す。されるがままの舌を絡めとり、膣内のいい所でない場所をわざと刺激すれば、くぐもった喘ぎ声が舌に響いた。


「んんっ、!んーッ…!!やらぁ、!あっ、もっと奥、ほし…っ、」
「私に指図するな」
「〜〜っ、も、ゆるしてッ、たすけてくださ…っ!あっ、あぁっ…!」
「だらしない顔だな、下民に相応しい」


濡れた瞳の奥が何物にも変えられないほど煽情的だ。そんな視線に背中がゾク、と疼いた。私に許しと助けを請う姿にさらに追い詰めたくなってしまう。たまに強気だが、普段は内気のこの下民がここまで乱れている姿に加虐心は容易に煽られる。ギリギリまで追い詰めてから責めるのをやめた瞬間の表情を見たいがために飽きもせず何度も繰り返した。


「イキたい…ッ、やめないでください…っ!」
「イけばいいだろう」
「〜〜っ、っうあ、んッ、ごめんなさッ、も、やだぁ…っ」


零れた涙を舌で掬った。そしたらもう我慢できないと私の胸元に啜り泣きながら頭を寄せてきた。もっと狂うほどに責めてやりたいが、私の方もそろそろ限界らしい。
ビクビクと体を跳ねさせる下民の腕を掴んで抱き上げる。緩くなった湯は熱くなりすぎた体にはちょうどよかった。戸惑ったような声を上げたが、それを無視して浴室から出る。濡れたままの体が床を濡らしたが、あとで掃除をさせればいいかと気にも留めなかった。


「ま、だ、洗ってない、です…」
「洗うまで、我慢できるのか?」
「う、…」


そのままベッドに下ろせば、困ったような表情と期待するような視線。足を擦り寄せて顔を赤らめる反応になにを今更恥ずかしがっているのか理解に苦しむ。
体が冷えて少し落ち着いたのか、目を右往左往させては悔しそうに顔をしかめている。


「**」
「っぁ、…ノゼル様…、」
「口を開いて舌を出せ」


座っている横に手をつき、前のめりになって深いキスをする。余裕がないのがありありと伝わってくるが、それでも私の舌の動きに合わせようと絡めてくる姿勢に気分が良くなった。控えめに手が私のものと重ね合わせられる。
足りない。
その言葉が漠然と脳裏を過っては、**の頭を抱えてベッドの上に倒れこんだ。

先ほど散々触った体に手を這わせるとそれだけでわずかに反応する**。キスの合間に熱い息が漏れ、胸の先端を指で弾くと体を仰け反らせて舌の動きが止まった。


「足を開け」
「ッ、ぁ、…は、ぃ…」
「ん…、いい子だ」


そう言って額に唇を落とし頭を撫でてやると、安心したようにその手に擦り寄り目を細めた。まるで猫のような行動に口元が緩む。
戸惑いがちに開かれた足の中心に手を這わせた。すでに十分すぎるほど濡れそぼったそこをぬるりとなぞれば、いとも簡単に声を漏らして腰を浮かせた。

もう慣らす必要は無いな。

上体を起こし、痛いほどに膨れ上がったそれを**の膣口に押し当てる。ドク、ドク、と強くなるのは心臓の音だろうか。


「挿れるぞ」


顔が上下に動いた。肯定だ。
まるで初めてやるかのような緊張感だった。

蒸気した頬、湿った膣口、腹を伝う汗、顔を隠すように腕が目を覆っている。全ての要素が私を興奮させるためにあるように思えて仕方がない。
「顔を隠すな」と言えば左右に振られる首。仕方がない。そう思って隠している方の手のひらを自分のと絡め、勢いよく上へと挙げた。


「あっ、!?〜〜ッ!!ハッ、!!」


それと同時に中に挿入すれば、一瞬意識が飛んだように顔が強張りその後すぐに膣内が痙攣した。焦らしていた分反動が大きいのか、挿れた瞬間果てたらしい。声を出すこともできないところを見るとそれほど深かったことがわかる。そんなことをぼんやりと思いながら入りきらなかった分を押し入れるように腰を進めれば、それに比例して大きくなる喘ぎ声。
中の締め付けが強くなり、自身も気を抜けば果ててしまいそうになる。未だ痙攣する中を抉るように一度大きく挿入すると、泣き声にも似た嬌声が部屋に響く。


「〜〜ッあ、あぁ…!だ、めっ、ぅあ、!」
「イくときはどうしろと言った?」
「っ、イっ、イった…ッ、イったから止め…っあぁッ、!」
「次はイくときに言え、いいな」
「まっ、も、イった…っ、も、イったから…!あっ、ンあっ!」


キツい中に無理やり出し入れすると、背中を反らせて苦しそうに首を振る**。目を白黒させ、今にも気を失いそうなそんな姿に優越感を覚えた。粘稠度の高い愛液が膣口から溢れ出し、接合部が淫らな水音を鳴らす。

片足を掴んで肩にかけ、自身の体で腹部に押し付ければ、より深く挿入され、強い締め付けと同時になお一層喘いで膣内が痙攣した。また、イくときに言えなかったな。


「〜〜ッ!!やあぁっ…!いまっ、イってるから、だめぇ…っ!あぁッ!」
「貴様が言えるようになるまで、続けるからな」
「やだっ、!だめこわれちゃ…っ!あぁっ、止めてくださ…ッぅあ!」
「先程まで散々イキたがっていただろう?まだ壊れるな、**」
「あぁ、!さわっちゃ、だめッ、やだっ、こわい……っ!!」
「気持ちいいだろう?**、こんなに赤く腫らしているからな」


腫れて充血した陰核を指で押しつぶしてやると、髪を振り乱して体を跳ねさせた。ここまで乱れているのだから、快楽を通り越して苦痛の方が大きいのかもしれない。いや、快楽が大きすぎて苦痛なのか。
腰を動かすと同時に揺れる乳房に手を伸ばした。此奴が好きな歯を立てながら吸い付くように乳首を責めると震える手が体を押し返してきた。限界が伝わってきたが、私には関係ない。


「た、すけっ、しんじゃう…っ、ノゼルさま、も、ゆるして……ッ!」
「ここを責めると、中が締まってるぞ」
「やぁっ!も、やらぁ…っ!あぁ…!!」
「そんなに気持ちいいか、**」


壊れる、と何度も口にする**に、壊れてしまえばいいと口を歪めた。陰核の裏側から子宮口の手前にかけて貫けば、涎を垂らしながらガクガクと震える**。今までの行為の中でここまで乱れさせたのは此奴が初めてだが、ここまで興奮したのも初めてだった。


「あぁ、!!イくっ、イっちゃ、あぁ…ッ!!」
「あぁ」
「のぜっ、さまぁ…!!あぁっ、!イっ、〜〜ッ!!」
「ッ…、やっと言えたな、いい子だ」
「はっ、はぁっ、」
「じゃあもう一回だ」
「ッ!?まっ、も、むり、ほんとにだめっ、ノゼル様だめだから…ひぎッ、!」


痙攣が収まっていないまま、抵抗する弱々しい腕を無視して腰を掴んでさらに奥へと突き刺した。何回か意識は飛んでいるんだろうが、奥に突き刺せば体をのけぞらせて意識を戻した。貴様は、このまま私の腕の中で狂ってしまえばいいんだ。


「ココが、いいんだろう?」
「お、奥ッ、ふかぁ…っ、奥当たって…っそこ、っや、あぁっ、!」
「気持ちいいか?**」
「〜〜ッ、き、もちっ、あぁっ、!そこっ、きもちいぃの、あ、!ノゼルさま、そこ、あぁっだめになる…ッ!」
「ッは…、**」


じゅぶ、じゅぶ、
押し寄せてくる射精感に比例して、高揚感と罪悪感が思考を支配する。卑猥な水音と**の嬌声が理性を削り取り、あまりの快感に笑みすら浮かんだ。


「**」
「あぁッ!のぜ、さまぁ…っ!も、だめっ、またイっちゃ…」
「このまま出すぞ」
「ッ!?っなに言って……っあぁ、!!」


荒い息とともに腰の打ち付けを速めれば、喘ぎながら拒絶の言葉を言う**。混乱している様子が手にとるようにわかる。だがもうダメだ。もう此奴を一生此処に縛り付けておきたい。


「やだ…っ!あぁっ、!やめてノゼルさま…っ!!あっ、赤ちゃんできちゃ…あぁッ…!!」
「っ、**、」
「おねがいっ、やめてぇッ…!!抜いてくださっ、あっあっ、んんッ!!」


声ごと貪るように唇を重ねた。喘ぎ声が口内で響いて背筋がゾクゾクと疼いた。
このまま、私の子を孕んでしまえばいい。そうすれば一生此奴はここにいる。私の元を離れない。私がいないと、生きていけなくなればいいんだ。

うっすらと目を開ければ、涙で歪んだ瞳が視界に入った。


「んんーッッ!!〜〜ッ!!」
「っん…はぁ…ッ」


中の痙攣と同時にドクドクととめどなく流れ出すのは私の醜い欲望だろうか。今までにない高揚感と罪悪感に胸を締め付けられる。
体を震わせて意識をトばした**。跳ね上がる体は絶頂の深さを物語っていた。


「**…、」


閉じられた瞳からは涙が一筋零れた。ズルリと自身を抜けば、白濁とした液が膣口から溢れ出した。
ゆっくりと頭を撫でてその髪に唇を這わせた。どこか甘い香りがして酔いそうになる。ふと涙と跡を指でたどれば、先ほどの拒絶する言葉が脳裏にこだました。


「……貴様はいつも、最後に私を拒絶するんだな」


拒絶の言葉を聞くたびに心臓にヒビが入るような苦しさを感じていた。なぜこんな下民に、ここまで私が振り回されなければならないのだろうか。
もう一度名前を呟き、その身を抱き寄せた。朝起きたら、此奴になんて言えばいいのだろうか。


ヴィタ・セクスアリス





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