第8ビートで追いつめた


「**様〜〜!」

私の名前を呼ぶ声の方に向かってクルリと体を回せば、そこには碧の野薔薇団のソル・マリン様と団長のシャーロット・ローズレイ様が。


「ご機嫌よう、シャーロット様、ソル様」
「**様、お久しぶりっス!」
「お久しぶりです、**様」
「今回はソル様が表彰されたのですか?」
「はいっス!いや〜〜今年は結構頑張ってて」
「あまり調子にのるなよ、ソル」
「姐さんは厳しいっス…」
「ふふ、あまり無理のなさらないように、ですよ」
「はい!ありがとうございます!」


なんとも健康的なソル様も、凛として美しいシャーロット様も本当に素敵な方だ。力強く生きる女性というのは、同性の憧れだ。
中でもソル様はとても友好的にしてくださる。とても嬉しいお友達。


「**様、今度うちの団でパーティーをするのですが、**様もどうですか?」
「わぁっ、!素敵ですね!是非行きたいです!」
「おやおや?それなら来月の第2日曜日にカーセウス家で父上の誕生日パーティーをするので**様も参加されませんか?」
「ハモン様のお父様の?とてもおめでたいことですね、是非参加させてください!」
「ちょっと待つっス!うちも来月の第2日曜日っス!」
「ええっ、!?」


まさかまさか、パーティーの日にちが被ってしまうだなんて。どうしましょうか、とほぼパニック状態で思案していたら、ぽんっと肩を叩かれた。


「わっ、…っ!フエゴレオン様!」
「お久しぶりです、**様」
「ご機嫌よう、本当に久しいですね!」
「実は、ヴァーミリオン家でも一族の交流を深めるためのパーティーを同じ日にするのですが、**様、どうでしょうか」
「えっ、ええっ、!?」


なんで皆さん来月の第2日曜日に開催されるのですか〜〜っ!

あわあわと目をグルグルさせた。どうしよう、どうしよう、といろんなところに視線をやったが解決策は見つからない。


「…シルヴァ家でもします」
「え?兄様、そうでしたっ「黙れ、するのだ」


もうパニック状態だ。どのパーティーにも出席したいのに、まさか全て日にちが被っているだなんて。
こんなことってあるのだろうか。


「**様、野薔薇団に来てくれませんか?」
「父上が**様と会えるのを楽しみにしています」
「**様は最近ヴァーミリオン家の屋敷に来ていませんでしたよね?」
「それはシルヴァ家も同じだ」
「どっ、どどどどうしましょう、!」


ぎゅっと服を握ったり、キョロキョロと視線を右往左往させたり、え、うあ、と変な声が出てしまうが、本当にどうしよう。
もう頭がパニックすぎて泣いてしまいそうになる。


「…なぁ、なんで笑ってるんだ、あの四人」
「…**様の慌ててる姿が可愛くていじめてるのよ、あとは家に連れ込みたいって思ってるからよ、多分」
「なんてことしてんだ!?」


そんな会話があったみたいだが、全くもって聞こえていなかった。



第8ビートで追いつめた
かわいいかわいい王女様。誰の手を取り踊り出す?



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