「あんねー!やばかったんだよー!」
「それじゃ何も伝わらないよ、葉隠…」
「C組の癒し系女子ってなんか聞いたことあるわ〜」
「**ちゃんは確かに癒し系女子だったわ」
「こう、ふわぁ〜って!ほわほわぁ〜ってなるの!本当に!」
「是非会ってみたいですわね、マイナスイオンの個性の女の子に」
「マイナスイオンかー、なんかめっちゃ森っぽいね!」
「森っぽいってなに、芦戸」
「なんか思わず抱きしめたくなっちゃうんだよー!」
授業終わりの着替え中、いつもよりテンションが高い葉隠と、その発言に賛同する蛙吹の会話に、その他A組女子も興味を示していた。
(マイナスイオン個性の森っぽい子、かぁ…)
一人黙々と着替えるなか、思わず抱きしめたくなる女の子とはどんな子なのか思いを巡らせるお茶子は、マイナスイオン個性の森っぽい女の子という言葉にあの緑色の髪のA組男子が思い浮かんだ。
(…モサモサしてて森っぽいかも)
「お茶子ー?なーに黙々と着替えてるのー?」
「えっ?あ、いや、なんか森っぽい女の子って、髪の毛モサモサしとるデクくんみたいやなぁーって」
「「あーーー」」
そのお茶子の言葉に納得を示したのは芦戸と耳郎。確かに緑谷出久はまさしく木みたいな男なのだ。特に頭が。
「ぜんっぜん違う!あんなにモサモサしてないもん!」
「でもさ、ほら、あの頭からマイナスイオン出てそうとちゃう?」
「えー、なんか汗臭そう〜」
「三奈ちゃん、緑谷ちゃんに聞こえるわよ」
「とにかく違う!みんな会ってみて!あんなにモサモサしてなくてむしろめっちゃ可愛いから!**ちゃん!!」
森系女子で検索「どんまい、緑谷」
「元気出せよ」
「ブハッ、モサモサ…ックク、」
「なんで僕がこんな目に…」