レッツ!A組!




「ほうほう…これがあの噂のマイナスイオン…」

「うん、これはねぇ…」

「気持ちいいですわ…」

「……た、たわわな、」

なにがとは言いません。乳です。あ、言っちゃった。

腕と頭と背中から抱きつかれているという男の子なら泣いて羨ましがる光景だと思う。

「ちょっとー!次私!」

「**ちゃん、大丈夫?」

「だ、大丈夫です…!」

「私こっちの腕!」

「お前らなにしてんだ…?」

**ちゃんセラピー!!

そう元気よく答えたヒーロー科の女の子たち。胸がものすごくものすごい女の子のせいで前がよく見えないが、男の子が話しかけてきたのだけは会話でわかった。

「あの、お昼…」

「はっ、そーだった!」

「食べながら話しましょう!」

「はーい!私キャラルクッキー!」

「葉隠ちゃん、それはご飯じゃないわ」

「**ちゃん何作って来たん!?」

「あ、わ、わたし、その…」

大きい袋をドン、と机の上に置けばなおのことキラキラしたお茶子ちゃん。流石に引かれる量を作って来てしまったから出すのが恥ずかしいや…。

朝4時に起きてルンルンでご飯を作ってたらいつのまにか7人じゃ食べれない量を作ってしまった。よく食べる方の私でも流石に多い。

「ご、ごめん、楽しくてついいっぱい作っちゃって…」

「ほあぁぁぁああ…!!」

「わー!おいしそー!」

「素敵ですわ!」

「これ食べていいの!?」

「こんなにたくさん大変だったでしょう?」

「楽しかったから全然大変じゃないよ。食べるのが大変だと思うけど…」

卵焼きに唐揚げ、アスパラベーコン、きんぴらごぼう、チーズトマトスティックなどなど、昨日の特売で買い込んだ食材をふんだんに使って大きめのタッパーに詰め込んで来たのだ。

登校中は果てしなく重かったのはここだけの秘密。

「いっただきー!」

「あ!ちょ、それウチが狙ってた唐揚げ!」

「早いもの勝ち〜!」

パクっ!
効果音が鳴るくらい見事に唐揚げを一口で食べた芦戸さんがその自慢の触覚をピクピクさせて肩を震わせた。(まずかったかな…っ!?)と一人焦っていたら、そのあと飛び込んで来た大きな声。

「うんっまーーい!!」

「もー、芦戸ー」

「耳郎も食べてみなよ!唐揚げ最高!」

「やったー!**ちゃんの卵焼きや〜!」

「このポテトサラダも美味しいですわ!」

「ケロケロ、混ぜごはんおにぎりもちょうどいい塩加減ね」

「うわ、唐揚げおいしっ」

「すごいねっ料理もできちゃうんだねっ!」

「お、お口に合って何より…」

依然透ちゃんとヤオモモちゃんにはハグされたままだが、その間ももぐもぐと手を動かす二人に苦笑しつつ、みんなの止まらない手を見てほっと安心する。何回も味見したから変なもの入れてないけどね。

「可愛くて癒し系でしかも料理までできるとか…」

「**ちゃん、うちん家住まへん???」

「嬉しいお誘いありがとう、お茶子ちゃん」

「持って帰りたーい!」

「ハァ…**さんを創造できれば…」

「その時は大量生産よろしく!」

「私がいっぱいは怖いなぁ…」

あはは、と頭を掻いて自分も料理に手をつけた。八百万さんの持ってきたよくわからない高級な料理は高級な味がした。そして乳がすごい圧迫してくる。

「なんか今日空気違うくね?」

「C組のマイナスイオンちゃんが来てんだとよ」

「えっ!まじ!?どこどこ!?」

そんな会話が背後から聞こえて、思わず後ろを振り返った。うわぁ、ヒーロー科だ、なんて今更な考えが頭によぎる。なんかヒーロー科ってだけでかっこよく見えるのはどういうマジックなんだろうか。

「なぁ君!?噂のマイナスイオンちゃんは!」

「えっとー…」

「ちょっと上鳴!いきなり**ちゃんに話しかけないでよ!」

「**さん、こいつに触れたら妊娠するから」

「しねぇよ!!芦戸も耳郎もひでぇな!!」

「二人ともそろそろそこ代わって〜」

「あと30分…」

「休み時間終わっちゃうよ!」

ヒーロー科って賑やかだなぁ。もう誰がどこで何を話しているのか全然ついていけないや。

「あ、ポテトサラダおいしい…」

「ありがとう、私が作ったのよ」

「梅雨ちゃんが!?すごい…今度作り方教えて欲しい…」

「お安い御用よ、**ちゃん」

「やった!あ、この一口きな粉餅もなかなか……!」

「はーい!それ私作ってん!」

「おもちっておいしいよね〜」

マイナスイオンは、私が故意で濃度を高くする時以外は、眠い時やおいしいご飯を食べた時などリラックスしている時に自然と濃く出される。

「はぁ……おいしいってしあわせ……」

「うわ、やば、」

「え、なにこれめっちゃ気持ちいいんやけど」

「美味しいものを食べると濃度が濃くなるのかしら」

「うん、なんかそうらしいの」

「**さん……私の家に住みませんか?」

「え、あの、八百万さん、いきなりどうしたの?」

「そーだそーだ!ずるいよヤオモモ!」

「え?そこなの芦戸さん?」

もぐもぐとおいしいごはんを咀嚼しながらおっぱいに揉みに揉まれ(なんだか後ろの方で血の涙を流している男の子がいた)、初のA組み進出はとてもしあわせな時間になりましたとさ。めでたしめでたし。

レッツ!A組!
「**、ヒーロー科どうだった?」
「格が違うかった!おっぱいの!」
「………………は?」




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