Novel/Short

02

2人で並んで歩くのも久しぶりで、えーたの手から重そうなバッグを取ると、びっくりしたように俺を見上げてきた。ちなみに、俺とえーたは頭ひとつ俺の方が大きい。俺が大きすぎるだけだけど。
「ありがと、与一」
「ううん…えーたと一緒に、いられるだけで、しあわせだ、から。俺こそ…ありがとう、えーた」
「っ!」
笑いかけたら、えーたはすごい勢いで前を向いて、黙り込んでしまった。

物心つく前から俺たちは一緒で、気づいたらえーたのことが大好きになってた。
男にドキドキするなんて、って悩んだこともあったけど…えーたかっこいいし優しいんだもん、仕方ないよね。
えーたが笑ってると、俺も嬉しい。
えーたが悲しいと、俺も泣いちゃう。
小さい頃から変わらず、俺の世界はえーたを中心に回ってるんだ。

「えーた…大好き、だよ」

えーた、お耳が真っ赤だよ。なんて、きっと怒られちゃうから言わないでおこう。


久しぶりの学校、久しぶりの教室。
教室に入った瞬間、みんなの視線がいっぱい突き刺さってきてすごーく居心地が悪かったけど、えーたの後ろの席が俺の席だって聞いてそんなのは気にならなくなっちゃった。
「目黒!久しぶりだなー」
なんて声をかけてくれるクラスメイトもいて、俺はその日ずっとにこにこしながら過ごした。

でも、時間が経つごとにえーたはご機嫌ナナメになっていって、俺もちょっとしょんぼり。こんなじゃ、えーたに釣り合うなんて、夢のまた夢だ。

どうすれば、えーたは笑ってくれるの?


 
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