Novel/Short

サタデイ 01

…やって、しまった。

「バカ与一、はねーよ…」

今頃、与一はどんな顔をしているんだろう。何で怒鳴られたかわからなくて半ベソかいてそうだ。
与一…ごめんな、大きい声苦手なのに。
怒るよりも褒めて伸びるタイプなのに。
俺が、誰よりもよーくお前の気持ちを知ってるはずなのに。

でも、あの「ごめん」って言葉だけは、許せなかったんだ。

せっかく固めたこの気持ちも、これまでの与一の気持ちと努力も…全部、全部否定されてしまったみたいで。

どんなに悔いても後の祭り…。全ては明日にかかっている。
「……ま、寝るか!」
…どんな時もどんな場所でも寝られるタイプなことに、人生で初めて感謝した。


…天気は晴れ。雲一つない青空です。

そんな天気予報が流れていそうな清々しい朝。対する俺の胸の内は雷を伴う大雨です。

「栄太、何をそんなにソワソワしてるの?目障りだからどっか行きなさいよ」
「そりゃないぜ、マイマザー…」
「うるさい」
「ごめんなさい。…飯食ったらちょっと与一んとこ行ってくんね」
「迷惑かけないでよ?ああ、冷蔵庫の中にロールケーキあるから持って行きなさい」
「マジ?サンキュー」
「早苗ちゃんとお母さんにもよろしく言っといてね」
「ほいほい、りょーかいですよ」
少々口うるさいけれど、明るいマイマザーのおかげでとりあえず胸の中の雷は治まった。

インスタントラーメンというチープさ溢れる昼飯も食って…。
「さーて、いきますかね!」


 
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