仮面の下
ぬるり、ぐちゅり。
俺の足の下で粘度の高い水音がなる。裸足にまとわりつくその液体は指の間で軽く糸を引き、俺を視覚、聴覚、触覚…どこからでも楽しませてくれた。
「ねえ、聞こえる?ナオ、こんなにどろどろになってる…。俺の足、そんなに気持ちいい?」
「や…も、やめ…っ」
「なんで?」
笑顔でそう問いながら親指でナオのモノの先端を擦る。ビクビクと震えて素直に反応を返すナオが愛しい。頭を撫でてやると、先端から溢れる透明な液の量がどっとふえた。
ずっと、ナオが好きだった。
愛嬌があって、ちょっとバカで、皆に好かれるナオ。
優しくてカッコイイ自慢の幼なじみ、というポジションをどうにか保つことでナオにとっての『特別』になろうと、俺はいつも必死だった。
「ナオ、気持ちいい…?」
「ん、あ、ヒロ…っ!おれ、」
「何?」
「おれ、なんか悪いこと、した…?」
「んー、した。かな?」
ナオの目から涙が零れ落ちる。その雫すらも俺のものにしたい。醜い独占欲が抑えきれず、ナオの頬をべろりと舐めた。
「俺の気持ちも知らないで、俺の部屋で無防備に寝たりするからいけないの。わかる?」
「ヒ、ロ…?」
「わかんないの?こんなことまでしてるのにね」
「ひ、ああっ!ヒロ、ヒロぉっ!!」
強くモノを擦り上げると、ナオは一際大きく体を震わせてイった。
白い液体は俺の頬にまで飛んできている。それを掬って、ナオに見せ付けるようにして 口に運ぶと、ナオは目を見開く。
「かわいいよ、ナオ」
俺はいつも通りに微笑む。
ねえ、ナオ。本当にわからないの?
ずっと俺はお前だけを見てきたのに…お前は余所見ばかりしてるもんね。
こっちを見て。目を離さないで。その怯えた目でもいいから、俺だけを見てほしい。
「もう、離してあげないから」
*
陸瀬さんに捧ぐ!美味しいネタを生かしきれなくてごめんなさい!
これ足コキの意味、皆無だよね…とか気にしないことにする。
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