短編 | ナノ


▼ におうまさはるというやつは2

「仁王くん授業中うしろからペンでつつくのやめてくれない?」
「すまんの」
「誠意感じられないんだけど...」

授業中の仁王雅治ははっきりいって邪魔である。
ペンで背中をつついてきたり、自分の消ゴムが気がついたら消ゴム判子になってたり。紙飛行機がさっくり頭に刺さったことだってあった。

今は六月。梅雨も明け、初夏ももうすぐといったところだ。
初夏なんていわず夏休みがすぐそこなのである。
つまり定期テストが近いのである。

私はちょっかいのせいで授業がなにも入ってこないし先生に注意されるし仁王くんは一番後ろだから先生に見えてないし。仁王くんの謎の要領の良さは見習うべきなのか。

「マジで今回ヤバイから冗談抜きでちょっかいはやめていただきたい」
「ん〜」
「もー!ちゃんと聞いてるの?」

仁王くんは机に伏している。これは完全にきいていない。
抗議の意を込めて下敷きで仁王くんのぼさぼさ頭を叩く。すると面白いほどに静電気が起きた。
それに反応して仁王くんが顔を上げる。
すごい不適な笑みを浮かべて。

「な、なに」
「好きな子ほどいじめたくなる"だろ"?」
「っは?」

におうまさはるというやつは
(ずるい!)



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