短編 | ナノ


▼ におうまさはるというやつは

「ぜっっったい嘘でしょ」
「プリッ」


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「仁王君ってさあ」
「なんじゃ」
「それ! それだよ」

一時限目が終わって、10分の休憩時間。
後ろに座っている仁王雅治は、だるそうにあくびを繰り返している。

「嘘でしょ。その口調」
「...ど〜じゃろなあ」
「絶対焦ったりすると口調普通になるんでしょ」
「そうかもしれんの〜」
「仁王くんと話してるとむかつく!」
「誉め言葉として受け取っておくぜよ」
「...」

わたしは絶対にこの口調が意識してだしてるものと考えている。
ぜよとかじゃろとかおまけにピヨプリなんて、そんな方言きいたことないもん。
じゃ、は神奈川の方言とかなんとか聞いたことあるな。本人は南の方からやってきたとかいっていたし...あ、ひっこし繰り返して混ざったとか...?
ぜよって坂本龍馬みたい。坂本龍馬ってどこだっけ
...長州と薩摩の同盟をうんたらかんたら...

「おーおー。俺のことで頭いっぱいな感じじゃな」
「...!!!」


におうまさはるというやつは
(むかつく!!!)

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テーマ「人外ファンタジー」
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