体が痛い。俺は今、クラスメートたちに殴られ蹴られている。 理由は、クラス委員長を襲ったとか、なんとか。 勿論、俺は襲ってない。少なくとも、女に興味がない。 …あ、ホモと言う意味ではない。誤解されそうな言い方だった。 現在、恋人をつくる気はない。と言う意味だ。 で、あまり女については分からない俺でも、委員長は美人だ。それに、勉強も運動も出来る。 性格は、優しく気配りの出来ると思っていたが違ったらしい。現に俺は告白を断ってこの状態だ。 周りに優しい自分が好きで、手に入れたいものはどんな手を使ってでも手に入れる。 そんな人間だったらしい。
「謝る気になったかよ?」 「いいんちょーに謝れば、マシになるかもしれないのにー」
「はっ、誰が謝るか。俺はやってなっ」
謝っても状況は変わらないなら意味もない。そもそもやってないのに謝る必要性を感じない。 それに跡部さん達は信じてくれているみたいだから、俺が謝ったら失礼だ。 最後まで言えなかったが、意味は伝わっているだろう。と言っても彼らには、俺の声は届かないだろうが。
「やめてよ!私は大丈夫だから!私が断らなかったらよかったんだよ!」
怯えたように言っている。流石、猫かぶり。
「何処が、大丈夫なんだよ!滅茶苦茶震えてるじゃんか!!」
何で気付いてくれないんだろうか。いや、告白を断る前まで騙されていた俺が言える事ではないが。 跡部さん(の眼力)は流石だと思う。彼女に余り近付くなというのはこういう事だったのか。
ガラガラ
「真央、居るか?」
なんだろうか、この男。俺を殴る時は何時も教室の扉には鍵が掛けてある筈なのに。 この男も俺を殴るのだろうか。
「な、何?早紀?鍵は…?」
「ん。借りてた教科書。」
違ったようだが、どうやって入って来たのだろうか。
「鍵はこれで開けた。で、このクラスはイジメが流行ってるのか?感心しないな…」
男はヘアピンを見せて言った。教室だからいいが普通にやっていたら犯罪だぞ。
「こいつが委員長に謝らないのがいけないんだ。」
俺は何もやってないんだが、どうせ信じてはくれないだろう。何時になったら終わるのだろうか。
「あー、佐々木うるさい。どうせ、イケメンの馬鹿野郎とかそういう嫉妬で殴ってるんだろ?それとおふざけ。何人かは違うみたいだけど。止める。止める。お前、大丈夫か?」
「触るなっ」
同情だろうが純粋に助けたいのかはしらないが、これは俺の問題だし何よりも俺と一緒にいると何をされるかなんて分からない。
「高橋、そいつを助ける必要ないぜ?女を無理矢理襲った野郎だからな。」
「え、こいつめっさ可愛い。」
この男、周りの声が聞こえていないんだろうか。一向に離れる気配がしない。
「ね、ね。君の名前は!?あ、僕は高橋早紀!」
「…俺に関わるな。」
女みたいな名前だな…。と言うか、 えー、いいじゃん。とか言っている。こいつ、頭可笑しいのか?
「ねー。話聞いてる?」
「聞いてない。」
とりあえず、誰だか知らないがこいつを俺から引き離さなければ、こいつまで暴力を振るわれる。
「ね。ね。一目惚れしちゃった。」
そうか、こいつはって
「はぁ!?お前、意味を分かって言ってるのか!?」
そうだ、俺は男でこいつも男。
「うん。だから、僕と付き合っt「待て待て待て待て」何?」
何?じゃないだろ?何?じゃ。
「俺は男だ。」
「うん。そうだね。」
うん。そうだね。じゃないだろおぉおお! つまりは、
「…お前、ホモなのか?」
いくら俺が彼女つくる気がないからといって、男は対象外だぞ!? (少なくとも今までに男を恋愛感情で好きになったことはない。)
すると、コイツはこういった。
「僕は女だよ?」
「はぁああぁ!?」
俺を助けたヒーローは女でした。 嘘だろ、コイツ俺なんかよりずっとカッコイイ。
男装癖があるか、足に何らかの理由で傷が付いててコンプレックスにしてズボンを履いてるとか。ズボンにリボンはあまり合わないし、ネクタイ。顔はなかなかキレイ。と、電波で変人。この二つを満たす、そんなヒロインちゃんを書きたかっただけの代物。
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