魔王幸村夢。 優しい幸村ではないです。
只今、授業の4限目。絶賛おさぼり中だ。Twitter風に言うとおさぼりなう。 さぼりと言えば屋上でしょうと思って此方に来た5分程前の私を呪いたい。
「呪ってあげようか?」
「お断りします。てか、心読むな。」
なんでこの腹黒…幸村がいるんですか?神様。授業に出席した方がマシだった。
「腹黒って誰の事かな?」
「お前だy、ちょ、痛い!痛い!悪かったから!」
ようやく手が放れた。なんだよ。頭握りつぶす気かあいつ。あの細腕で何処からそんな力が…あぁ、黒魔術か。というか、
「で幸村もさぼりなの?珍しいじゃん。」
そう、この腹黒は本物の紳士である柳生と同じように、品方向性、成績優秀、眉目秀麗で通っている。 実際はただの腹黒だけど。
「君と違って品方向性、成績優秀、眉目秀麗だからね。このくらいなら大丈夫。」
「うぜえ。」
「今なんて?」
「痛たたた!ちょ、やめ!悪かったから!」
確かに若干悪かったけど、痛すぎやしませんか。コイツ腹黒じゃなくて魔王の子なんじゃないの?神の子じゃなくて魔王の子。や、むしろ魔王か。
「何だって?」
「いや、なんも?」
危ね。頭潰れる所だった。周りの女の子達は王子様とか言ってるけど何処が…。顔が王子様風なのか?甘いマスク持った魔王とか質が悪い。というか、なんで私の前では魔王なんだよ。
「君だからだよ。」 「はぁ?」
心読むなとはもう言うまい。諦めよう。…テニス部の皆、苦労してんな。
「耳悪いなぁ、だから、君だからだよ。。」
「それは聞こえたよ。」
耳は普通だよ。魔王。 何故?と言う呟きが口から零れる。
「好きな人には本当の自分を知っててほしいじゃん。」
うん、好きな人には…ね。まるで魔王が私をレンアイカンジョウと呼ばれる方向で好きみたいじゃないか。
「ね、好きだから付き合って。というか、俺達は恋人同士ね。決定。」
え、あ。うん? What?
「え、嫌なんだけ「何か言った?」ナンデモナイヨー。」
ああああ!ちょ、誰か助けて!! 勇者はいないの!?
infingardo(腹黒い人) 好きと言われて少しときめいたのは秘密です。
(蓮二、お陰様で俺達付き合う事になったよ。) (え、嫌な(え?)ナンデモナイヨー。) (おめでとう。)
タイトルは茫洋様からお題お借りしました。
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