突発的に書いたやつ。




「景吾…?」

「…。」


困った。景吾が抱きついて離さん。
いや、それだけなら良え。彼は、
泣いていたんや。



「景ちゃん?どないした?」


「…。」


そして何も話さん。不謹慎やけどこないな景吾も可愛え。




「景吾…?何で泣いてるん?」

「…泣いてない。」



ようやく喋った。しかし、困った。抱きついて離さんこないな状況、かれこれ15分は続いとる。いや、もっとかもしれへん。可愛えけれど、理性とか理性とか理性とかが保ちそうにない。



「ゆ、し。」


「なん?」


徐に景吾が口を開いた。声が震えて少し鼻声や。



「俺達…さ。」


「おん。」



何時まで一緒に居れるんだろう?
そう、景吾が融けてまいそうなくらい小さく呟いた。



そないな事考えていなかった。
否、考えたくなかったんや。
彼は、景吾は俺の恋人であり、跡部財閥の御曹司でもある。
跡取りの事を考えると、


女と結婚しなければならん。



「…見合いの話しが来た。
…いいとこのお嬢様だ。
母様や父様は他に恋人や好きな人が居ないのならと賛成してる。」


俺は言葉を失った。
もう、そんな話しが来たんか。
いや、話しやないか。


景吾は結婚しなければならん。


この事実が突きつけられる時が。



「ゆ、し…。…俺は、」



侑士とずっと一緒に居たいんだよ。
でも、それは出来ねぇのかな?


そう、聞こえた。
や、辛うじてそう聞き取った。



「それは…」


どないな風に返したら良えやろうか。
未来なんて分かる訳があらへん。
答えが、分からん。
けれど、



「俺は、景吾が望む限り景吾の隣におるよ。」



それが俺の答え。





君を手放すのは嫌だから。




タイトルは雪華-snow flower-さんからお借りしました。

凄く切ない夢を見てつい、やってしまった。