俺はいつからこんなに寂しがりになったんだろうか。今日、忍足と一度も話してないだけなのに。


すごく、物足りない。今、すぐに会って話をしたい。


「景吾、今すごく物足りないって顔してるよ?忍足に会いたいの?」


合っているので素直に頷くが相手が唯一の相談相手であり双子の片割れである凛だから。俺の一番の理解者だ。


「あぁ、もう。景吾は何でこんなに可愛いんだよ!くそ、双子萌えか?!双子萌えなのか?」


…凛の思考を理解できない時があるが。

「明日、部活も生徒会もオフだったよね?」

「あ?あぁ。そうだな。」


すると、携帯を取り出し何か打ち始めた。タイプ早いな。流石、毎回同人向け小説を打ってるだけある。
…じゃなくてだな。何やってるんだ。


「あ、来た来た。」


メールが来たのか、読んでいた。すると口の端がつり上がる。マズい。こういうときの凛は何をするか分からないし、最強だ。むしろ最凶だ。前回は女装させられたし(俺は全力で拒否したんだが)、その前は猫耳。その前は…、考えるだけで頭痛くなってきた。どうやって逃げようか。


「景吾、クレープ食べてみたいって言ってたよね。」


「あ、あぁ。」


まともな事を言っている…だと?


「忍足と食べに行ってきなよ、二人で。空いてるって。あ、拒否権はないよー。景吾が食べてみたいって言ってたからオススメのとこ連れてって送っちゃったし。」


「…はぁ!?」


忍足と二人で、食べに行くだと?


「放課後に正門前にって。」


「ちょ、待て。どういう事だ?」


「どういう事って、言った通りだよ。」


つまりは、忍足と二人で…そう、二人で食べに…


「はぁあぁああ?」


「デートだね(*´▽`*)」


「なっ!ちょ、え、は?え?あ!?はぁ?」


景吾かわいなぁ、とか言っているが、やっぱり凛はやらかした。しかもデートとか言われたら、意識しちまうじゃねぇか!


「景吾、顔真っ赤〜。」

「るせぇ!」


あぁ、顔が赤くなるのは押さえらんねぇ。それに明日を楽しみにしている俺がいる。俺は乙女か、畜生。




なんだか物足りない日
(ね、明日が楽しみでしょ?)
(っあぁ、楽しみだよっ!悪いか!!)
(っ景吾は私を萌え殺す気なの!?)
(はぁ?)