昼過ぎ、俺は生徒会室に向かっとった。何故なら、最近疲れとる表情をした跡部…景吾の方の跡部やで!! の仕事を手伝うため。ちゅーのはホンマは建て前で、跡部…景吾の方n(ry と会いたかった、会うという表現はちゃうかもしれへん、一緒におりたかったからや。
ちぃっと生徒会室を覗けば1人疲れとる表情をした跡部…面倒やから景吾と呼ぶが、彼は何か考え事をしとるようやった。
ノックをして入るとちと驚いたような嬉しそうな顔で微笑む。…ホンマに別嬪さんやな。やなくて!
「よぉ、忍足。わざわざ生徒会室に何のようだ?」
ホンマに景吾は素直やない。疲れとる、やから手伝って?と言えばええのに。景吾の高い自尊心に傷が付くから言うわけのは分かっとるけど。
「仕事、手伝おうと思てな。手伝う事ある?」
いつもの景吾やったら俺を帰すやろうが、この時期は忙しく疲れとるやろうから手伝わせてくれるやろ。
「お前にやってもらう程でもねぇよ。それでも手伝いたいならコーヒー淹れろ。」
ほらな?素直やないこの言い方でも可愛く感じてまう俺は重傷やと思う。
「ん。ちょおっと待っとき。淹れたるから。」
「砂糖とミルク忘れんなよ?」
そう、上で分かったやろうけど景吾は結構な甘党や。最初、砂糖とミルクを入れるのを見たときはめっさ驚いた。開いた口が塞がらないとはこの事を言うんやなと思ったほどや。
「ん。出来たで、どうや?」
この瞬間がいっちゃん緊張する。砂糖とミルク入れ過ぎやないやろか?むしろ足りないちゅーのはないやろな?
「なかなかじゃねぇの。」
「ありがとさん。」
つまりは美味しいちゅーことやな?景吾の幸せそうな顔、ホンマ可愛えなぁ。
ガチャ
「失礼します。…やほー!景吾!…忍足も来てたんだ?手伝いありがとねー」
礼儀正しくかつ元気よく入ってきたのは景吾の双子の姉である昴ちゃん。景吾と一緒の蜂蜜色の髪と吸い込まれそうな蒼い瞳、チャームポイントの左目の下の泣きボクロ。景吾とめっさ似とるけど決して同じやない景吾の片割れ。
「お、昴ちゃんやないか。おおきに。何か飲むか?」
彼女は景吾と違い、明るくってキレイやと思う。景吾の方が暗いというわけやないで?落ち着いているちゅー表現がしっくり来る。そして、可愛えと思う。男相手に可愛えは可笑しいかもしれへん、否可笑しいやろうが、可愛えもんはかわええ。
「んー。hot chocolate!!」
「あー。ココアやな?」
「そう、それ!」
景吾と昴ちゃんはココアと言うた時微妙な顔しとったなと思い出す。しゃあないけど。やってカカオ豆は飲まれへんやろ?そんな事思いながら、ココアを作る。
「昴ちゃん、出来たで?どうや?」
「流石だねー。忍足。美味しいよ。」
そして、景吾と違い、彼女は素直や。せやけど、素直やない景吾の方が可愛えと思ってまう。すると、眉間に皺よっとる景吾が目に入る。そんな顔も可愛えけど、心配やなと。
「ん?景吾、大丈夫か?考え事?眉間に皺よっとるで?」
「本当だ。大丈夫?」
昴ちゃんがおる時だけ、景吾と名前を呼べる。それだけで浮かれてしまう。
「あんまり、眉間に皺寄せてると別嬪さんが台無しやで?」
思わず口滑らしてしもた、ホンマに思っとる事やけど引かれてないやろか?心配やけど、とりあえず不自然やないように出来る限り自然に眉と眉の間を伸ばしてみる。おん。可愛え。一番の微笑みなんやないかと思ってまう位キレイに笑って言うた。
「何でもねぇよ。」
あんなに皺になっとったのに、めっさキレイに笑っとる。でも、無理はさせとうない。
「ホンマに?」
「…!忍跡!!!」
…おん? おしあとって何やねん。双子やから二人の秘密とかあるやろうけど… 人に訊くのは好きやないけど、今すぐ知りたいし、景吾の事で知らんなんて嫌やねん。
「おしあとって何や?」
「忍足、気にしなくて良い。あと、昴落ち着け。」
なる程、昴ちゃんは落ち着きがなくなると「おしあと」っていうんやな…ってんな訳あるかい!一人でやっても面白ないわ!って
「景吾、また眉間に皺よっとるで…」
ああ、やっぱり心配や。
でもやっぱし今日、景吾といって分かったわ。この感情は…
likeじゃ足りないな
(おい、忍足。なにニヤついてやがる。) (堪忍、景吾かわええわ〜) (ア゛ーン?!どういう事だ?てめぇっ!) (おしあと!) (景吾、堪忍って。で、おしあとって何や?) (…気にするな。)
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