所在さんから



「サカズキってさ、俺にメールくれたことないよね」





ある日の休日。
友人から来たメールを見てクザンはふとそう思った。思った時には既に声に出していたが…





「…そうじゃな」

「でしょ?」





サカズキは何だか不機嫌な口調だったが、気にせず続けた。





「俺サカズキからのメールが欲しいんだけど」

「必要ないじゃろ」

「必要あるよ!俺には!」





クザンが真面目な顔してずいっと詰め寄るとサカズキもすかさず言い返してきた。





「電話で充分じゃろうが!」

「………」

「な、何じゃ、その笑みは…」





黙り込んだクザンは嬉しそうに笑っていた。





「いやー、サカズキったらそんなに俺の声が聞きたいなんt」

「分かった、送ってやる」





それ以上しゃべらせると話がややこしくなりそうだったので、サカズキは即座に返答した。
どうも腑に落ちなかったが、サカズキはクザンの意見を受け入れるのだった。








実はサカズキは、細かい操作を必要とする機械が苦手だった。
クザンにメールを送ったことがないのはそのせいだ。
携帯電話もその例外ではなく、まともに使える機能は電話しかないということをクザンは今知った。




「で、次に機能を押して」

「機能?」

「あーほら、画面の右下に機能って書いてあるでしょ」

「あ、あぁ…」





サカズキがクザンにメールを送るためには、誰かに操作方法を教えてもらう必要があった。
まぁ、必然的にその役はクザンにやって来るわけだが。





(サカズキ壊滅的だな……いや、そこも可愛い)





一通りの機能をサカズキに教えてから、クザンは楽しそうに言った。





「じゃあ、今から俺がサカズキにラブメール送るから返信してよ」

「なにっ!?」



ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜





サカズキはおそるおそるケータイを開くと、その内容に頬を赤くさせた。





「っ!……貴様、なんちゅう事をかいちょるんじゃ!!」

「別に変な事は書いてないでしょ。ただ…」

「言わんくてもえぇ!!」





ぜぇぜぇと息も絶え絶えにツッコミをいれるサカズキとは対称に涼しい顔してクザンは楽しい様子だった。





「返事はメールで返してね。もし返事が帰ってこなかったら、強制的にさっきのメールの内容を実行するから」





果たしてサカズキはメールを返すことが出来たのか…。






拝啓、君へ
(サカズキ〜、まだ〜?)
(うるさいっ!今やっとる!)
(チラッ あ、まだ新規作成したばっかりだ)
((送れる気がせん…))


以上所在様の素敵キリ番小説でした!
リクエストはいつの日か短文として書いた「携帯電話のメールの打ち方を教わるサカズキ」でした。
所在様ありがとうございました!これからもよろしくお願いしますね!


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(10.07.04)




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