セスさんから1



セス様から10,000hitお礼としていただきました!
展示許可が出たので展示します。
ふっふたつも・・・!^p^

○内容はクザサカの現代パロディです。
○二人のイメージとしては20代前後(原作で例えると41巻(中将ぐらい))
○クザンはともかく、サカズキのイメージが壊れて(崩れて)います。

それでも大丈夫ですよと言う方のみ下からどうぞ。



( 我が儘な主人と意地っ張りなメイド )


『コーヒーをどうぞ…クザン様』

『ありがとねぇ〜サカズキ君』



〜★☆★☆★〜



『ゲームしよう』

『…はぁ?』


クザンの唐突の発言に、サカズキはつい間抜けな声で返事をした。


『ゲームって…何をするんだ』


この家、もといサカズキの家にはゲーム機等一切無い。


『じゃじゃ〜ん!』

『…トランプ?』


一体何処から出したのか、クザンの手には真新しいトランプが握られていた。


『そんなもの家にあったか?』

『いや〜この間ガープさんに貰ったのよ』


まるで新しいゲームを買って貰った子供のような笑顔を向けるクザンに、サカズキは何故自分はこんな奴と一緒に
同じ屋根の下で住んでいるのだろうと、一瞬本気で考え悩んだ。


『じゃあババヌキね』

『ちょっと待て!!私の意見は…』


サカズキの意見を無視して、クザンはさっさとトランプを配り始めた。


『…クザン…貴様』

『まぁまぁそんなに怒んないでよ』

『大体何でババヌキなんだ』

『はいっ終わり』


ぐだぐだとサカズキが文句を言っている間に、クザンはトランプを配り終えた。
サカズキは渋々己の手札を視た。
あるのは数字とキング等の絵柄だけ。
どうやらババはクザンの手札にあるようだ。
そう思いサカズキはチラリとクザンを視た。
クザンは先程同様笑顔の儘だった。


『…で?どっちが先攻だ?』

『ん〜じゃあサカズキから』


それを聴いたサカズキはクザンの手札に手を伸ばした。


『あっ…サカズキ』

『…何だ』


サカズキはクザンの手札に触れるか触れないかの距離で手を止めた。


『これ唯のババヌキじゃないから』

『…?…そうか』


クザンの言葉に違和感を覚えたが、サカズキはクザンの手札から一枚トランプを抜いた。



〜★☆★☆★〜



『貴様…謀ったな…』

『あらら…謀ったなんて聴き捨てならないわねぇ』


サカズキの手にあるのはハートのエース。
一方クザンの手には何も無かった。


『だから言ったでしょ』


唯のババヌキじゃないって…
恐らくクザンはトランプを配る前にあらかじめババとエース一枚を抜いてサカズキに配ったのだろう。


『でもさぁ…俺って凄いよねぇ』

『…何がだ』

『俺のサカズキへの愛のハートをきちんと届ける為に他のトランプを捨てて残しておくってさぁ〜いや〜俺って天
さ…ちょっサカズキっそれ貰ったばっかだから!!』


クザンの長々しい自画自賛的話にサカズキはクザンの愛もといハートのエースをビリビリに破こうとした。
が、慌てたクザンがそれを阻止した。


『全く…何をするのよ』

『その言葉そのまま返してやろう』

『えっ…サカズキが“何をするのよ”とか全っ然似合わないんだけど』

『“何をする”だけ返してやろう』


サカズキはクザンにからかわれた事が気に食わないのか、少々苛立ちを含んで言い返した。


『まぁまぁ落ち着いてよ』

『…落ち着けるか』


サカズキは少々落ち込んでしまった。


『じゃあ負けたサカズキには罰ゲームを…』

『罰ゲーム!?そんなの初耳だぞ!!』

『だから唯のババヌキじゃないって…』

『ふざけるのもいい加減にしろ!!』


サカズキは完全にブチ切れ、思いっきり立ち上がった。
椅子が倒れなかったのは恐らく奇跡だろう。


『だって唯のババヌキじゃ無いって…』

『それはもう聞き飽きた!!何で罰ゲームがあるんだ!?』

『無いと面白みが無いじゃん』

『だからって!!』

『第一サカズキ負けたんだから良いじゃん』


大人しくしてよ。
最後にクザンがそう繋げると、サカズキは諦めたのか椅子に座り直した。


『…罰ゲームは何なんだ?』

『ん?1日中俺のメイドね』


語尾にハートが付きそうな言い方に、サカズキは文句を言う前に一瞬台所に目をやった。


『あぁでもメイドが嫌なら執事でも良いよ』

『…クザン』

『何?』

『今すぐ貴様の心臓に刃物を突き刺してドラム缶に詰めて海に捨てて良いか?』

『うわぁ何かちらほら極道の雰囲気が漂って物騒だけどせめて俺のお願いを聞いてからにしてね』


殺される事に関しては良いのか?、と誰かが居たらつっこみそうだが、生憎今はクザンとサカズキしか居無い。


『で?何をすれば良いんだ?』

『そうだねぇ…』


クザンは散らかったトランプを片付けながら考えた。


『じゃあ取り敢えずコーヒー宜しくねサカズキ君』

『分かっ……は?』

『だからコーヒー宜しくね』

『その後何て言った?』

『サカズキ君』

『…気色が悪い』

『だってサカズキがメイドで俺が主人だよ?』

『…メイド確定か』

『あぁ因みに俺の事は…』

『…クザン様か』

『あらら、物分かりが良いメイドさんだね』


片付け終えたトランプをダイニングテーブルの隅に置いて、クザンはよしよしとサカズキの頭を撫でた。
サカズキは一瞬本当にさっき言った事を実現してやろうかと思ったが何とか抑え込み、クザンの手を半ばヤケクソになって払い台所に向かった。



〜★☆★☆★〜



『コーヒーをどうぞ…クザン様』

『ありがとねぇ〜サカズキ君』


数分後、コーヒーを持ったサカズキはクザンの前にそっとコーヒーを置いた。
一瞬頭からかけてやろうかと思ったのは秘密だ。


『あぁ〜サカズキの愛が入ってて美味い』

『何時もと同じだろう』

『いやいや全然違うね』


クザンはそれはそれはもう嬉しさMAX状態でコーヒーを飲んだ。


『後は何をすれば良いんだ?』

『えっ…まだ何かやってくれるの?』

『貴様が此だけで済む訳が無い』

『本当に物分かりが良いメイドさんだこと』

『あるなら早く言え』

『それじゃあ…』

クザンはサカズキに幾つかお願いと言う名の命令をした。



〜★☆★☆★〜



『いや〜本当に俺は幸せ者だねぇ』

『勝手にしてろ』


あれこれとクザンの命令を聞いていると何時の間にか就寝時間に近付いていた。

『しかし何時もの私と変わらないじゃないか』

『…そう?』


掃除、洗濯、料理…その他諸々の事をやったが、何時もと変わらない。


『じゃあやる事無いから寝ますか』

『勝手に寝ろ』

『あらら、随分な態度のメイドさんに変わっちゃったね』


そう言いつつもクザンはサカズキの腕をむんずと掴み寝室へ向かった。


『待て!私はまだ眠くない!!』

『じゃあ命令ね』

『…分かった』

『ベッドの中で俺に“愛してる”って言ってね』

『…はぁ!?』


“一緒に寝る”が命令じゃないのか!?
サカズキはそう考えている内に寝室に着き、クザンは手を離すとさっさとベッドへ潜り込んでしまった。


『ほ〜らおいで、俺のメイドさん』

『……』


何時の日か亡き者にしてやる…
サカズキは頭の中でそう考え、ベッドへ潜り込んだ。


『んじゃ、お休み』

『ちょっと待て…』


何時“愛してる”と言うかタイミングを考えていたサカズキをよそにクザンは一人勝手に寝てしまった。


『…馬鹿者』


そう呟くがクザンの鼾に掻き消された。
というか寝付くのが早すぎる。
こいつはこんなに寝付くのが早かったか?、とサカズキは考えてみるが答えは出なかった。


『…兎に角』


早く言ってしまおう…
サカズキはクザンの耳元に唇を近づけた。
そして…


『…クザン』


−“愛してる”−


静かに、且つ愛おしくそう告げたサカズキは恥ずかしくなったのか、クザンから少し離れ、背を向けて寝た。


『寝てるから気付いてないか…』


もしも翌朝『聞いてない』と文句を言われても『さっさと寝た貴様が悪い』と言い返してやろう。
サカズキはそう思い眠りについた。



〜★☆★☆★〜



サカズキが完全に眠りについた頃、クザンはふと眼を覚まし、サカズキの寝顔を視た。


『ちゃんと言ってくれたね』


実はクザンは狸寝入りしていたのだ。
通りで鼾が早い訳だ。


『俺も愛してるよ、サカズキ』


そう自分の眠り姫もといサカズキに告げると、クザンはサカズキを後ろから抱き締めて本当の眠りについた。




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(10.07.04)




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