セスさんから



セスさんに祝15000hit文頂きました!
本当にありがとうございます!
一応注意書き。




○内容はクザサカの現代パロディです。
○二人のイメージとしては20代前後
(原作で例えると41巻(中将ぐらい))
○クザンはともかく、サカズキのイメージが壊れて(崩れて)います。

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本物の医者じゃなくても、君が医者役なら治りそうだよ。

〜★☆★☆★〜

『…風邪引いたかも。』
『馬鹿は風邪を引かない筈だが?』
『…サカズキひどっゴホッゴホッ!!』
『うわっ!?こっちに移す気か馬鹿者!!』
唯の風邪だから良いが…

クザンは数日前から風邪を拗らしている。
原因は寒い中コンビニや書店等、宛もなくふらふらと暇つぶしに散歩していた事だった。

『だからあれほど出歩くなと言っただろう。』
『だってサカズキが構ってくれないから…』
『…知るか。』

自分にも非が…
否、無いな。
絶対に無いな。
非の字の一画目の出始めすら無いな。

サカズキは一人そう片付けた。

『…とっとと病院に行ってこい。』
『…嫌だ。』
『…何が?』
『だって場合によっては注射するでしょ?痛いから絶対に嫌だ。』
『…今幾つだ。』
『ピチピチの20代。』
『…馬鹿か。』
餓鬼じゃあるまいし…

サカズキはクザンを視界から追い出して、さっさと保険証を探し始めた。

『ねぇ、サカズキ…』
『今度は何だ?』
『俺病院に行かなくても風邪治るよ。』
『何処にそんな根拠が…』

サカズキは一旦保険証探しを中止して、クザンの方を見た。
瞬間、絶句した。

『ほらこれ、サカズキがこれ着て医者のふりして風邪薬くれれば治r『どっから持ってきた!?』

クザンが手にしているもの…
それはサカズキの白衣だった。

『どっからって…サカズキの部y『あぁそうだろうな。それ以外考えられないな。』

確かそろそろ洗濯でもしようと、先日持って帰ってきたばっかりだった。

『ね?だからサカズキが医者のふr『勝手に私の部屋に入らないでくれるか?』
『…さっきから俺の話最後まで聞いてないでs『病人のくせに喋りすぎだ』…』

またもやクザンの言葉を遮り、クザンの手から白衣を奪い取る。

『頼むよサカズキ。』
『ふざけるな。』
『ふりで良いからさぁ。』
『五月蝿い、早く病院に行け。』
『お願いします、サカズキ様、病人の俺の望みを叶えて下さい。』

深々と頭を下げたクザンを見て、サカズキは渋々白衣を着て承諾した。

『今回だけだからな。』
『サカズキ優しいn『その代わり明日までに治らなかったら絶対に病院行けよ。』…了解。』

サカズキが風邪薬を探そうとすると、クザンがそれを止めた。

『邪魔をするn『はい、風邪薬。』…何で持っているんだ。』

今度はクザンがサカズキの言葉を遮り、手にしていた風邪薬を渡した。

『…一回殴っても良いk『先生、俺一応病人なんだけど。』…』

あまりにも用意周到なクザンに苛立ちを感じたが、サカズキはなんとかそれを抑制した。

『じゃあサカズキあっち行って。』
『…は?』

クザンが指を指した方向にあるのは、サカズキの部屋。

『…何故?』
『だって医者は診察室に居るでしょ?
だからサカズキの部屋を診察室にして、
リビングを待合室にするの。』
良い案でしょ?

クザンはにかっと笑みを浮かべてみるが、
だらだらとだらしなく鼻水が垂れているので台無しだ。

『…分かった。』
『じゃあ準備出来たら呼んで。』

サカズキはさり気なくクザンにティッシュを渡して自室に向かった。

〜★☆★☆★〜

『さて…と…』

サカズキはくるりと部屋を見渡した。

『部屋もそれっぽくした方が良いのか?』

サカズキの部屋はクザンの部屋と180度違って綺麗だ。
きっちり仕舞われた本棚、埃一つ無い机と椅子、ピシッとシーツが張られたベッド。

『…ん?』

取り敢えず机に風邪薬を置いて、
椅子に座ったサカズキはある事に気付いた。

『…椅子が足らない。』

本来診察室には、
医者が座る椅子と、
患者が座る椅子と、
椅子が二つ必要だ。
しかし、サカズキの部屋には、
椅子は一つしかない。

『…どうするか。』

わざわざリビングから椅子を持ってくるのは面倒だ。
それ以前にクザンの風邪が悪化したら大変だ。

『まぁ…良いか。』

自分がベッドに座れば…
第一アイツは風邪引いてるからな。
襲われる可能性は無いだろう…

そう思いサカズキはベッドに座った。

〜★☆★☆★〜

『クザン…クザン?』

準備は出来たというのに、
何度呼んでもクザンは返事をしない。

『クザ…』

待てよ…
まさか…
否…

サカズキはふと気付いた。

『…次の方どうぞ。』
『は〜い。』

やっぱり…
そこまで本格的にやるのか…

サカズキが小さく溜め息を吐くと同時に、
ガチャッとドアが開かれた。

『失礼しま〜す。』
『…どうぞ。』

サカズキはクザンを椅子に座るように促した。

クザンが内心、
『あらら…』
と思っている事に気付きもせずに。

『…どうかしたか?』
『実は数日前から鼻水と咳が止まらなくて…』
『…典型的な風邪だな。』
『あぁ〜やっぱり?』
『……………』
『ゴメンナサイ…』

患者の癖に妙にへらへらしているクザンを、
サカズキは怒気を含んだ目で睨んだ。

『…風邪薬を出しとくから食後にきちんと飲んどけよ。』
『…はい。』

サカズキが恐ろしいのか、
クザンは小さく返事をした。
それに対し、
サカズキはほぼ棒読みの儘、
風邪薬をクザンに手渡した。

鼻水を垂らしてへらへらしている顔面目掛けて投げつけようとしたのは秘密だが…

『…お大事に。』
『…有り難う御座いました。』

一通りの作業を終え、
クザンが部屋を出たのを確認すると、
サカズキはそのままベッドに倒れた。

『…疲れた。』
生きる事よりも疲れた…

クザンの風邪が移ったのか、
意味不明な事がぐるぐると頭の中を巡る。

このまま寝てしまうか…

そう思って瞼を閉じた。

その時…

突然ガチャッとドアが開いた。

サカズキは身を起こそうとしたが時既に遅く、
クザンにのしかかれて動けなくなった。

『…貴様一体何のつもりd『まあまあ気にしない気にしn『気にするわぁ!!』

先程以上に怒気を含んで睨んでみるが、
免疫が付いたのかクザンには気かなかった。

『いや〜診察してもらおうと思って…』
『ついさっきしただろうが!!』
『否…俺の息k『死ねぇぇぇぇっ!!』それ医者が言う言葉じゃないってえぇ!!』

僅かにクザンが身を離した隙に、
サカズキはクザンの鳩尾に思い切り拳をめり込ませて、
強制的にクザンを眠らせた。

『…間抜けが。』

クザンをベッドから突き落とし、
見下したサカズキは、
そのままクザンをクザンの部屋まで引きずり、
ベッドに放り出した後、
その日の残りの時間をのんびりと過ごした。

翌日、
完全復活を果たしたクザンに、
サカズキは襲われたとか襲われなかったとか…





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(10.07.04)




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