去勢術 / クザサカ



※注意
タイトル通り下ネタです。ひどいです。
それでもよければどうぞ。



腹が立つ。本当に腹が立つ。
サカズキはそう苦々しい思いを抱きながら、シーツを握りしめた。
今日はする気などないと言ったのに。早く寝たいと言ったのに。
クザンは非常に自己中心的な理由でサカズキを強引に組み敷いて抱いた。


「嫌じゃあ言うとろうがぁっ!明日はマリージョアで会議がっァ!」

「あのね・・・オレがどんだけ我慢してきたと思ってるのよ・・・」


互いの仕事が上手い具合に重なり、数ヶ月は同じ床で寝ていなかったため、元々沸点が低いクザンにとっては我慢の限界だった。
もうサカズキの都合がどうだろうと知ったことではない。
普段なら考えても実行に移さないはずだが、今日のクザンは欲求不満でいつもより冷静ではないようだ。
だからこそ後ろから突然襲いベッドに組み敷いて犯すなどサカズキがもっとも嫌う動物的な行動をしてしまったのだろう。
しかしそんなことを冷静に分析出来るほどクザンの脳内容量は大きくない。


「あぐぅ!あっ、おっお前は盛りのついた猫かァっ!」

「はっ・・・そうだねぇ・・・っ・・・サカズキのせいでね・・・」


そんな冗談交じりの言葉が苛立っていたサカズキにとっては堪忍袋の尾を叩き切るのに丁度良かったらしい。
ここまで同僚に対して怒りを覚えたのは久しぶりだろうだとか、もうちょっと冷静になれだの考える前にサカズキはシーツを強く握りしめた。
そして瞬時に部屋の中何やら焦げ臭い匂いが漂う。


「ん・・・?」

「クザン・・・貴様・・・」


それがサカズキの能力が発動した合図であることにようやく気付いたクザンは慌てた。
今自分はサカズキを抱いている、つまりサカズキの身体に触れているのだ。
ボルサリーノと違い、自分は氷。相手はマグマ。
言うまでもなく相性は最悪だ。


「あっ・・・ちょっ・・・ちょっと待って・・・」


サカズキの低い怒声で冷静になったクザンは謝ろうと頭を巡らせる。
しかしもう遅いようで、サカズキの身体はボコボコと煮えたぎっていた。
そしてサカズキは低い声のまま、ポツリと呟く。


「前にボルサリーノにええことを教わったんじゃァ・・・」

「な・・・なんですか・・・」


サカズキの行動に全く予想のつかないクザンはそう無駄な敬語を使ってみる。
それを聞いたのか否か、サカズキは後ろにいるクザンにゆっくりと振り返った。
そして怒り以外の感情が見当たらないような恐ろしい形相で、呟いた。


「お前の・・・その粗末なモンを焼き切ればええ・・・とな・・・!」

「あっ!ちょっと待っ」


その言葉と自分のそれの位置を合わせてようやく予測が付いたクザンは抜いて土下座してしようとまで考えた。
しかしその前にサカズキのある意味死刑宣告に等しい言葉が室内に響き渡った。


「冥狗」


その言葉が室内に響いた瞬間、何かが泡立つ音と何かが溶けるような音がして、クザンはおそるおそる自分の下半身を見る。
すると自分の自慢のモノはサカズキによって完全に消滅させられていた。


「あああああああ!!オレの息子がぁあああああ!!」

「それで少しは大人しくなれるじゃろう?何せ猫は去勢をすれば大人しくなるそうじゃけェのお・・・」


そう勝ち誇ったよう笑みを携えながらサカズキは身体の力を抜いて、ベッドにうつ伏せで倒れ込んだ。
勝ち誇った笑みは浮かべられたものの、余裕であるかと言われるとそうでもない。
身体は重く、身体は汗で体内はクザンの精液で気持ち悪い。
もう限界だ。このまま寝てしまおう。そう考えているとクザンがあと声を出した。


「んぁ・・・何じゃい・・・?」

「・・・・・・・・思ったんだけどさ」


クザンの声色が突然嬉々としたものになったため、サカズキは寝たまま首をひねって後ろのクザンを見る。
そしてサカズキは驚愕した。
自分が焼き切ったはずのクザンのそれはまるで何ごともなかったかのように復活していたのだった。


「そうだ。オレ自然系だから大丈夫だわ・・・よかったー・・・覇気で持ってかれたかと思ったー」

「っ・・・!」


サカズキは悔しそうに歯ぎしりをした。
あまりにも疲れ果てていたため力量の配分を間違えたらしい。
そこで覇気でも使えば、もう明日からクザンは文字通り去勢された猫のように大人しくなっただろうに。


「・・・じゃあ続きしようか?」


そう勝ち誇ったように言われて、悔しさがサカズキの怒りに拍車をかける。
そしてその怒りの衝動に任せて、サカズキは痛む身体を鞭を打って起こし、クザンを睨みつけた後にどこからともなくリング状の何かを取り出した。
一瞬指輪の類かと思ったが、大きさから見てそうではない。


「なにそれ」

「お前が前につけたやつじゃろうが!」

「え?あ、あぁ・・・あれか」


サカズキの言葉でクザンはようやく思い出した。
それは以前特注で作らせた海楼石入りのコックだ。
かなり前の出来事だったためクザン自身すっかり忘れていた。


「で?それがどうしたのよ」


しかしそれを目の前に出されてもクザンはまだ状況をよく分かっていない。
そんなクザンに対してさらに怒りを覚えたのかサカズキはクザンの胸ぐらを掴んで、自分の方に引き寄せた。
あふれんばかりの覇気にクザンは思わず顔を限界まで後ろに引く。


「これを貴様のそれに付けた後にもう一度焼き切ってやるけェ・・・出せ!」

「はぁ!?」


一瞬何かの冗談かと思ったがサカズキの目は本気だ。
どうやら相当腹が立っているらしい。自分も何を言っているのか分かっていないだろう。


「ちょっ・・・やだよ!今度こそなくなるでしょうが!ばっ・・・やめて!」

「じゃあかしいわ!なくなった方がええじゃろうが!さっさと出さんかい!」


サカズキは手を胸ぐらからクザンの下半身に移動させてすでに実行する気満々だ。
さすがに取られたくないクザンは半ば本気で暴れて抵抗する。


「バカっ!ちょっ・・・・お願い!落ち着いて!一生のお願い!」

「お前がとっとと出しゃあ済む話じゃァ!出せ!出さんか!」

「やめてぇえええええええええ!!」


以後部下曰く、大将青キジは空気を読むスキルがほどほどに上がったらしい。


以前ノリで書いた駄文でしたが、見せろと言われたので載せます。
下ネタの時だけキラキラと輝く豆助ですが何か

----------------
(10.09.05)




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -