OH!NO!|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


しばらく・・・10分くらいじゃ。
ポケットをまさぐって、俺はまさにこれが緊急事態だと思うた。
持ってきたと思った財布がどこにもない。
これが買い物に行く途中・・・というなら話は別だぜ?
じゃけェ今日は何があるかってサカヅキとの初めてのデートがあるんじゃ。
それなりに時間に余裕はあるがの、戻りゃ遅刻しちまう時間帯だ。
ガラにもなくはしゃいでたのかもしれん。

女と遊ぶなら借りるとか抱いて誤魔化すぐらい出来る。
ただ本命とならデート代ぐらい全額負担したいだろ。男じゃけェの。
無論、金が今すぐ作れないわけじゃない。
借りに行くアテはあるし、行く途中でいいカモ・・・・あぁ“見知らぬ心優しい少年”から借りる手もあるしな。
ただ一つケチつけるならそんな金でデートしてサカヅキが喜ぶのかちゅう話よ。のう?

あぁ、家に呼べばいいかもしれん。ならタダだしの。
しかしこりゃあサカヅキがノーと言ったらアウトだ。
俺はサカヅキに“すぐにホテルに連れ込むような男”だと思われてるみたいじゃけ、一つ間違えたらビンタを食らってデート自体無くなっちまう。


そんな葛藤を続けるうちに、着いちまったわ。
あぁ、向こうから愛しのハニーが来とる。



◆◇◆



しばらく・・・10分くらいは探した。
ポケットをまさぐって、俺はまさにこれが緊急事態なのだと悟った。
持ってきたと思った財布がどこにもない。
これが買い物に行く途中・・・というなら話は別だ。
だが今日はアイツと海列車に乗って島巡りの約束がある。
あいつはデートだとか言ってはしゃいでいたが・・・・俺からすれば・・・・ただの暇潰しだ。そうだ。ただの暇潰し。
取りに戻るにはもう遅刻してしまう時間帯だな。
焦っていたつもりもないんだがな・・・・・

友人とか兄貴となら借りることも出来たが、アイツからは死んでも借りたくない。絶対にだ。

どうすればいいんだろうか。そう葛藤してる間に着きそうだ。
向こうに目立つ白髪が見えてきた。


「待ったか」

「いや・・・・今来た所じゃ」


嫌な会話だ。まるで恋人みたいじゃないか。
・・・・ん?こいつ心なしか動揺してないか?


「あぁ・・・・列車が出るのは何時じゃったかのう」

「あと15分くらいか・・・何だ、昨日言ったのに忘れたのか?」


俺がそんなバカをするかい。ちゃんとメモしたわ。
ただそのメモが財布の中にあるんだがの。


「あぁそうだったわ。そいで15分の間どうするんじゃ?」

「それなんだが・・・・・・」


財布がないのだから暇潰しに店による以前に列車にすら乗れないな・・・・困った。本当に困ったな。
何かいい考えはないものか・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・あ。



「・・・・・・今日は・・・・お前の家で・・・・昼を食いたい」


一時間クオリティの短文とだけ言っておこう(キリッ)


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(11.08.24)




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