君がいつか名付けた


昔々、東国に白き神を教えとする小さな国がありました。それはそれは、美しく壮大な宮殿に棲んでおり、豊かさを誇る国でした、
そんなある時、気高い王が住む宮廷に一羽の小夜啼鳥が止まりました。彼女は美しい歌声を響かせ、王やその臣下たちはその歌声に惹かれました。
王はそんな彼女を宮廷に遣わせ、彼女の歌声を宮廷に響かせていました。

そんなある時に、小さな集落から絡繰り仕掛けの小夜啼鳥が送られました。疲れる事も無く美しい歌声を歌い続ける彼女に、王は何時しか魅了され続けました。

機械仕掛けの鳥に取り付かれた彼の姿に失望した小夜啼鳥は、何時しか宮廷から姿を消してしまいました。

しかし、幸福な時間は永くも続きません。絡繰り仕掛けの小夜啼鳥は、時が止まったかのように動かなくなってしまったのです。壊れてしまった鳥を治す者達が一生懸命頑張っても、彼女は元に戻らないのです。

絶望に苛まれた王は、死者の眷属に憑りつかれてしまい…国は荒れ、ただただ滅びを待つばかり。
彼が全てを諦めようとしたその瞬間、あの美しい小夜啼鳥が現れ――美しい歌声を響かせて、死者の眷属を追い払ったのです。
絶望の淵から這いあがった王は、彼女に求婚しました。
「もう、二度と傍から離れないでいてくれぬか」と。
彼女は、静かにうなずきます。
「ええ、喜んで」と。

二人は結ばれ――末永く、幸せな国を繁栄し続けたのです。


それでも貴方が何かになりたい、と言う願いを抱えたまま…意味ある死も、無意味な生も否定し続け、諦めろと言う事も、出来ないのなら――せめて、この狭く、閉ざされた世界なんかよりも、広い世界を見て歩いて欲しかった。
誰かに強制される訳でもなく、ただ自らの意志で歩むと言う事を知っておけば…きっと貴方にとっては辛い道かもしれないけど、貴方が何かになれる訳でもなく、ただ自分自身の願いを叶えられる事が出来たとしたら…。

――貴方は、小夜啼鳥にならなくていい。
貴方は、貴方自身の物語を綴って欲しいと言う祈りがただそこに、あって欲しいだけなのだ。






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