甘く茹だる眸


眠い。そして腰が痛く感じられるようなけだるさが酷い。

昨日は確か、自室で色々な話をして紅茶でも飲みながら少し寝ようと思ったら散々彼に抱き潰されて…いや、自分が自分らしからぬ喘ぎ声を出しまくって……それで…………そうだ、自分は彼と、激しい性行為を。
「…喉、乾いた」
散々喘いだせいで喉が渇いて仕方がない。けれど…胎内に彼の性器がまだ埋まっている。これを抜かないと、容器に入った水を汲む事は愚か、取る事が出来ない。出来たら近くの置き棚に茶器とかティーカップがあれば良かったものを…。
しかし、どうしても性器を抜かないと水を飲む事が出来やしない。だから頑張って抜く事を専念しないといけないのだ。
「ふぅ、う…」
ずるり。と朝勃ちをしているであろうペニスを体内から抜こうとする。膣がきゅうう…とペニスを包み込もうとするが、それを我慢して抜く事を考えようとしないとあっと言う間にこちらのペースに飲み込まれてしまうのだ。…いや、これは彼のやり方だ。このやり方で自分はいつも夜を翻弄されている……だが騎士やアルシュナにこれを聞かれたら彼等が泣きそうな話だが。
「はぁ、ああ…」
びりっと痺れるような、静電気のような感覚がする。あと少し、あと少しで性器を抜く事が――と考えた所、空いた腕を掴まれた。
「ひぃ、ああああ!」
「……何處へ、行く?」
抜こうと思っていたペニスが一気に子宮口まで突き抜き――その衝撃で腰を掴まれ、彼は立ちあがる。もう一本の開いた腕が宙を舞い、水が入った容器を指差す。彼はそれを一気に口に含み、自分に口移しをするように水を分けた。
「ふぅ、ああ、んぅ…!」
そして一気にベッドに押し倒され、行為を再開した。ぱんぱんと性器が子宮口に叩き付けるピストン運動をし、自分は甘い声を出す事しか出来ない。ぴん、と立ち上がった乳房を優しく撫でられ…彼に抱き締められるがままに声を喘ぐ事しか出来ない。
「…あぁ、お願い……赤ちゃんの子種、欲しいの……!」
「…っ!」
律動が激しくなり、もう何が何やら分からない思考のまま、絶頂した。
「あっ、あああーーーーーーーっ!」


それが事のあらましであり、自分は浴槽に浸かりながらぼとぼと…と精液を処理していた。素直にアーロンに水が欲しいと頼んでおけばよかった。あれは彼の理性を切らしかねない行為だったな…と顔を真っ赤にしながら、ぱしゃり。と身体を湯船に浸かる。

「…どうした?」

当の本人は無自覚の様であるが、素直にあんな事をされたら身体が持たないと言うのを分かって欲しいのだが…。
「…少しは身体を大事にして欲しいって話」
「そうか」
苦笑する。そうか、じゃあない。そもそも自分をもっと大事に扱って欲しいと言う話で。
「明日は休暇を取ると言う話だろう?」
「そういう話じゃ…んぅ…」
れろり。と深い口付けをする。でも、彼ともっと一緒に居たいと言う心は本当で、嘘偽りのないものだから――自分は、ただ流されるまま彼の手に引っ張られ、再び情事を再開し始めた。






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