嘯くわたしはくそやろう


「女役は何時もお前だな、こういうのは慣れているのか」
「慣れているも何も、女役をするのは慣れているからな」

こういった会話を交わりながら、事を及ぶ。何時も男役は自分で、女役はこの男だ。変な話だ。いや、こいつが変な男なのは間違いないのだが。アーロンはもっと変な男なのは間違いない。女役は慣れている。と言うのもおかしな話なのだが。レイムは空気が読めるタイプの優等生なので何も言わないでおこう。と黙っておく事にした。

「ふぅ、んぅ…」
口付けを交わす。先に口付けをしてくるのはこの男だ。舌遣いが妙に気持ちいい。ディープキスに近いが、歯を舌でざわり。と舐め取っていく。暫くこういった時間が続くので、過呼吸を危うく起こしそうになった。
「ま、て…!」
主導権を握るのはどっちだったのか、最早分からなくなっていった。彼は素早い手解きでベルトのバックルを外し、勃ち上がったペニスを下履きの布越しで触った。

「――キスぐらいで欲情するとは、意外と変態さんだな」

――お前が言うな、お前が!とレイムは反論したくなった。下履きを下ろしながらも、じゅるじゅると袋を舌で舐め取る。何故こういったやり方を彼は知っているのだろうか。雇い主は彼に何を教えているのだろうか。いっその事問い詰めたくなりたい気分だった。
「ん、ぅ…出る…!」
どぴゅっ、とペニスから射精した精液が彼の顔面にぶっかける。反撃と言うような形でアーロンに覆い被さり、ゆるゆると勃起したペニスを握る。
「はぁ、んあ…そ、こ…はっ!」
ぐじゅぐじゅとペニスをピストン運動をしながら指で丁寧に扱い、ペニスの裏側に隠されていた女性器の女唇に指を挿入した。
「あ、ぁ…イイっ…!」
自分のいい所を知っているからこそ、彼は恍惚な表情を浮かべる。女唇に二本目の指を挿入させる。もう限界が来そうなのか、あ、あと虚ろな声を出す。
「〜〜〜〜っ、ああああ〜〜〜っ!」
どぷどぷと大量の精液がペニスから放出し、どろりとシーツを濡らす。やってしまった…と明日の洗濯がまた増えそうだと思いながら、どっと疲れを放出しながらも脱力した。

じゃああああ…とシャワー音が響く。男二人でシャワーを使うのは異常である。が、この二人にとっては日常茶飯事なのだ。
「――本当に、最低だな」
「さあ、それはどうだろうか?」
この男に『女役の手解き』を教えたのは雇い主であるが、彼の行動が理解できない。と言うのは心底ある。
「けれど、まだ続きをしたい…」
「駄目だ、さっき足腰立たなくなるまでしたら明日の仕事に悪影響が及ぼしかねないだろう」
この男の性欲と言うのが分からないところがある。何処までがOKで、何処までが駄目なのか全く分からない。
「だからと言って――んぅ…」
だが、この男の口付けも、悪くは無いと感じるところがある。今日ぐらいは、許してやっても良いだろう。






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