アヴェスター・回顧録「終わりの始まり」


セラは祈る、楽園が、この世界に芽吹くのだ。



「我らに君臨し、そして導け。……全てはお前の魂が望み、その魔剣が斬り拓くがままに。あの御方を裏切り弑した魔人どもを悉く討ち果たそう」
―――大天使スラオシャによる「終の決戦」開幕宣言。


ああ、あれは――酷いものだったよ。

一人の男が望んだとされる、東京受胎。そこで繰り広げられるのは、魑魅魍魎、無為転変、殺戮と混沌の宴。力ある者が生き残る美しい世界、静寂だけが唯一の世界、誰一人頼らず、己の身で生きる誰も見た事がない世界。それらの理想を掲げ、殺し合いを強いてきた者達を皆殺しにしたのは、一人の悪魔だった。

その悪魔は、元人間だ。でも、その元人間を悪魔にするなんて普通はありえないじゃないか?
けど、不可能を可能にする悪魔が居た。

名はルシファー。最も美しい大天使にして、最も醜い魔王に辱められた存在。

彼は、一人の人間を悪魔と化させ、彼に創造の理を持つ人間達を殺させた。…いや。元友人を、殺したの間違いだったかな。

そう、そうして新たなる世界を生み出す力となるカグツチは破壊され、東京は魔界のへと沈んだ。
――ルシファーは、自分を陥れた絶対なる唯一神を倒し、座に就いた代わりに、事象となった。それは何時しか、終の決戦と言われるようになった。
でも、何処から知恵と言われる存在が出てくるようになったんだって?18年前、ルシファーは事象であり…だからこそ、その力を使ってその神に至る存在の種を、やがて生まれてくる存在に芽吹いた。

ん?僕もそうなんじゃないのかって?ははっ、変な事を言うね。生憎様、僕はこの世界に干渉する権利なんか持ち合わせていないし、入る事が出来ない。――…犯した過ちと共に、ね。

でも、君の相棒だって本当なら、造られし存在である悪魔で――ナホビノなんて至れない筈だ。
…或いは、蛇がそうさせたんだろうね――唯一神も多神も望まず、真っ新で無垢な心を持つ君も、そうだろう?

さあ、君は何を望むんだい?






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