FIND OF THE WORLD



他者からしたら恵まれている、自分は幸せだ。と言う思い込みは、自分自身の殻を正当防衛させる手段に過ぎない。其れに気づいていなかったら――自分は本当に幸せ者だった。それが良かった。と思ってしまうのに、焦がれてしまう。


神々の都。太陽の王と、優れた騎士達が火を統べる。美しい都とも言われている。自分は母親に育てられたが、ずっと外の世界の火の光を見る事は無く、部屋の中で本を読んだり、絵を描いたりして育てられていた。
「父さんって、どんな人だったの?」と自分が問い掛けると、母親は「とても、優しい人だったわ」と答えてくれた。自分は母が好きだった。駄目な時は怒ってくれて、怪我をした時は優しく接してくれて――けれど、頬を叩かれた痣が残っていても、泣きたいときは泣けなかった。それが、どうしてだったのだろう。と聞くと、母は答えてくれなかった。

騎士達の凱旋パレードが見たい。と言ったら、母は「駄目よ」と優しく接した。自分は不満を持って「どうして母さんは僕を外の世界に出したがらないの!?」と拗ね、勝手に外に出てしまった。
神々の都は、黄金に美しい都と言っても過言ではないくらいに綺麗だった。街は活気で溢れ、騎士達の凱旋パレードが活気に行われていた。深淵を歩く騎士、竜を狩る騎士達の長、王の刃と呼ばれる暗殺者、鷹の目を持つ巨人――…彼等が凱旋する姿は、とても美しいと感じられていた。自分もいつか、あんな風になりたい…と。
市場を歩き、彼等は優しく自分に接してくれた。食べ物を貰い、異国の品を見て回り、とても楽しかった――…それが、どれだけ自分が恵まれていたと、思っていたと感じられたのだろうか。

凱旋も終わり、そろそろ帰ろうか。と思いながら、宮殿付近を歩いていた時の事だった。二人の兵士が、揃ってこっちに向かってくるのだから自分は物陰に隠れてやり過ごそう、そんな時に。

「知ってるか?グウィン王の怒りに触れて、追放された神が居るんだってさ」
「ああ、あれだろ?小人との間に子供を作り、其の事が王にバレたってやつ」
「小人の女も可哀想にな…神官の身から追放され、同胞から蔑まされる様な目で見られ、暴力を振るわれていると言う話も聞いた」
「…その子供はどうするんだ?下手をすれば絵画世界に監禁されるのではないか?プリシーー」
「おい、その話は止めておけ…ここでその事を話すのは不味い」

…自分は、本当に恵まれていると思いたかった。母親が、自分を外の世界に出さない理由が、分かってしまうのが本当に嫌だった。幸せでありたい、そう思いたかった。なのに――自身が、いかに恵まれていると同時に、この幸福な世界で一人ぼっちだと言う事を思い知らされた。

それが、最初で最後の、そうであって欲しい、と叶えられなかった幸福の形でもあった。






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